2001年3月3日
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全学労連ニュース今号の内容

 全学労連的 学校事務職員の生きのび方 出すぎた杭は打たれない

 「共同実施研究加配」の守口市から

 学校行革対策委員会のショートレポート

全学労連的 学校事務職員の生きのび方

出すぎた杭は打たれない

全学労連議長 菅原 孝

暗い未来予想図

 21世紀を迎えた日本のキーワードは「不安」になってしまった。町行く人々は口々に不安を唱えている。漠たる不安というより、確実に暗い未来予想図がこれでもかと提示されているからだ。「660兆円の借金」「人口はこれから減少する」「金融破綻」「人の心の荒廃」。メディアは毎日毎日人々の不安をかき立てる。その暗い未来予想図はあながち嘘でもなく、リアルに人々に迫っている。

 人々の不安はしかしながら「怒り」に結びついてはいかない。かつて怒りに対象だった「国」は相対的な地位を下げ、人々の怒りさえぶつけられないモノに成り下がっている。

危険なモノの到来

 人々の不安は、どんなモノに転化するのだろうか。「怒り」を組織できないままに不安を駆られた人々は、別な道を走りはじめるのか。

 「ナショナリズム」の不気味な動きに恐れを抱く人も多いことだろう。石原都知事の排外主義への傾斜、「自由主義史観」教科書、外国人労働者へ嫌悪の助長。

 「競争激化」は他人への無関心さを装うことを人々に強いる。社会の荒廃は「学校の荒廃」どころではなくなる。

 「日の丸・君が代」と「奉仕活動」でしかなくなった「教育改革」は、学校の風化を促進させ、子どもの学校からの逃避を進めてしまう。

学校事務職員の生きのび方

 じゃあ、どう生きればいいのか。「…のため」と念仏を唱えていれば気持ちが癒されるほどおめでたくない。「肩書きが欲しい」となりふり構わずシッポを振りはしない。そんな学校事務職員の生きる道は「出すぎた杭」でいることか。激流に抗し、自らの存在を主張するためには、杭を首長く出すしかない。

 『出る杭は打たれる。出ない杭は腐る。出すぎた杭は打たれない。

 考えてみれば、学労組合や全学労連は「出すぎた杭」でいるための術なのだ。四半世紀以上の学労運動は全国に「出すぎた杭」を打ち込んできた歴史だった。だから、学労運動の変身や低迷、そして「学校行革」の中でも学校事務職員学労運動の大きな潮流として全国の仲間にその存在を示し続けられたのだ。

 これからも全国各地に今以上の数の「出すぎた杭」を打ち込んでいきたい。そして、更に「出すぎた杭」同志を結び付ける太いロープを渡していきたい。

 

 激動の時代に、全学労連的な生きのび方で乗り切りたい。

 

「共同実施研究加配」の守口市から

阪学労 大脇洋子

 学校事務職員の歴史は、「職務」の問題、職務環境の問題、服務上の問題、様々な職種間の軋轢等を抱えつつ、喜んだり、悲しんだり、憤ったり、ちょっと滑稽な場面もあったりと、極めて人間らしい感情を現すものだったと思います。

 それぞれの感性や考え方によって、その職場での生き方も多種多様でした。労働者的な観点から主張し実践する人。事務研活動に熱心な人。学校であまり軋轢を生まないようひっそりと仕事をする人。また、人とぶつかりあっても主張する人etc。

 ただ、学校事務職員はいざという時、共に一致するという点で、極めて労働者的な特性を持っていました。見た目はバラバラのようでいて、結構、一枚岩的なものを持っていたように思うのです。

 それは、給料も労働条件も悩みの種類もほぼ同じ、という条件に支えられていたもので、「ここにクサビを打ちこもうとした文部省は結構えらい」と、私は最初考えました。しかし残念なことに、多分これは文部省が考えたのではなくて、「全事研などの偉くなりたい人々が考えたことなのだ」と思い付いたとき、これまでになく悲しい気持ちになりました。事務職員の最大の誇りは、みんな一緒で、分断による管理から離れているところにあったのに、自らそれを求めるようになってしまったのかと…。

 「国庫負担はずし」の手段では、事務職員の合理化はちょっとしんどい。そこに、弾力化や兼務や「権限」らしきものなんかを加えて懐柔し、その上で合理化する。こんな図式にのってしまうというのも、事務職員の世間知らずのせいなのかしら。

 「共同実施」なるオモチャのようなピラミッドを欲しがる人々が、「学校行革」というスクラップ&ビルド政策の中で、自らがどのように誤った立場を選択したかと後々後悔しないように、手助けしてあげましょう。

 また私たち自身も、すべての事務職員が「ポスト」と「権限」などというものに期待している訳ではないことを、宣言することが必要でしょう。

 私たちのたった一つの財産は、共に手を取りあって、体の弱い人もちょっと仕事のペースの遅い人も助けてもらえる喜びを、バリバリ仕事人は教えてあげる楽しみを持つことです。「みんな一緒に」を時代遅れだなんて言わないで、「ただの事務職員」を謳歌致しましょう。

学校行革対策委員会のショートレポート

省庁再編に紛れて中教審体制が大幅強化

 年が明けて1月6日に「中央省庁再編」が行われ、文部省は文部科学省になった。その影で中央教育審議会(以下、中教審と略)の再編強化が行われている。従来文部省の審議会として中教審はじめ、生涯学習審議会・理科教育及び産業教育審議会・教育課程審議会・教育職員養成審議会・大学審議会・保健体育審議会の7審議会があったが、それらを中教審に一本化し、その下で教育制度・生涯学習・初等中等教育・大学・スポーツ青少年の5つの分科会を設置しようというものだ。

 省庁再編は中央官庁や官僚機構をスリム化し、肥大化した官僚の権限を制限していくことにこそ意義がある。しかしこれでは数が減った分スリム化したと言えなくもないが、一本化しただけ権限の強化につながる危険性も大きい。たかが大臣の諮問機関にすぎないと言うなかれ。今まで我々は、官僚がこの審議会を隠れ蓑にし自らの政策実現にお墨付きを得るべく利用してきた経緯をずいぶん見てきたではないか。中教審への一本化は、官僚によるコントロールがより容易になったということでもあろう。

 省庁再編で行政改革が進んだと言うアリバイ作りがされ、現場公務員の更なる合理化に拍車がかかる事態にならないよう厳しい監視が必要であろう。

 

中央教育審議会(新旧対照図) ・・・・省略

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