2001年3月25日
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全学労連ニュース今号の内容

 00年全学労連運動の成果の上に 新たな行動を!

 扶養控除申告書用紙への元号印刷撤回を!

 「日の丸・君が代」と「教育改革」

 文部省が依頼? 北海道勤務実態調査を許すな

 2001年度 全学労連 運動方針大綱

 第30回 全国学校事務労働者交流集会(全交流)webページ公開!!

00年全学労連運動の成果の上に 新たな行動を!

全学労連 議長 菅原孝

 2000年度、全学労連は矢継ぎ早な「学校行革」の流れに対し、新たな行動を提起しながら取り組みを続けてきた。

 全事研、日教組が「学校事務の共同実施を通しての出世」幻想を振りまくなかで、それは文部省のいう「定数の弾力化」など学校事務職員の削減につながる合理化であり、また学校事務職員の中に差別的分断を持ち込むものだとして、あくまで「学校事務の共同実施反対」を貫いてきた。年末には、学校事務職員労働運動唯一の「共同実施反対署名」を文部省に提出し、文部省のK山をして「皆さんのためを思ってしているのに、反対する人達がいる」と言わしめたのである。

 「共同実施反対」署名は全国の学校事務職員に反響をよんだ。これまで全学労連に関係の薄かった方々からの署名も各地で寄せられ、今後の運動の広がりに手応えを感じたのである。

 00年全交流は真夏の福島市で開催した。実行委員会を担った福事労の若い仲間が提起した新しい企画は参加者に評価が高く、懇親会後の時間の「ナイトトーク」はこれまでにない濃密な時間をもたらした。全交流の新しい展開への期待は01年全交流大阪集会へも大きくなってきている。

 全学労組の交流集会にも全学労連は積極的に参加した。今後の更なる交流の深化が学労運動の展開に役立っていくだろう。

 「国庫負担はずし阻止、学校行革反対」全国総決起集会は、12月1日に会場を社会文化会館を初めて使って実施した。将来は大ホールを一杯にするという決意が高まる集会であった。

 全学労連事務局は毎月一回の事務局会を通して情勢の分析、課題の提起を行い、また中央省庁との不断の折衝をこなしてきた。全学労連ニュースはほぼ定期発行をなしきり、多くの全国読者に的確な情報を伝えたつもりである

 もちろん全学労連事務局の機能は満足するものにはなってはいない。01年度には更なる機能強化を図り、情報内容の充実、情報交換体制の確立など学労運動の新たな全国展開に向けた事務局運営を目指したい。

 

 今国会には「学校の自主性自律性」とは程遠い、「子供たちへの強制労働」や「教員への弾圧」などの教育関連法案が提出されている。01年度の文部科学省や地方文教官僚の現場への締めつけ、統制は一層強まるだろう。また、まったなしの「構造改革」圧力は文部科学省の「定数弾力化」や「公務員制度改定」を押し進め、学校事務職員制度の根底を揺り動かすであろう。

 全学労連はそれらに対し、全国の仲間との協力をすすめ、様々な手法を駆使して、徹底的な取り組みをする覚悟である。

 

元号強制に反対する

−扶養控除申告書用紙への元号印刷撤回を!−

 

2001年4月  日

国税庁長官 様

全国学校事務労働組合連絡会議

議長 菅原 孝

扶養控除等(異動)申告書用紙(以下用紙)における生年月日欄への元号印刷に対する申し入れ

 言うまでもなく、元号は象徴天皇制国家日本の時間(意識)を人々に強制するものであり、その差別性、排外性は明らかです。そのような考えから元号を使用したくないと思っている人に対して、使用を強要してはならないと、私たちは考えます。その意味では、用紙の標題において既に使用されてきた元号使用も含めて、申告者に元号を強制することは不当であるとまず言っておきたいと思います。

 今回(2001年分用紙)、新たに本人・扶養親族の生年月日欄に予め元号が刷り込まれたことは、申告者に元号で生年月日を記入することが基本であるかのような心理的強制を及ぼすものであり、とうてい容認できません。仮に元号を使用する人の便宜を図って印刷したのだとすれば、自分や自分の扶養親族の生年月日を天皇制の時間で表現したくないと考えている人を一方的に無視したやり方であり、納得できるものではありません。

 以上の観点から次のことを強く申し入れます。

 少なくとも今回新たに用紙に刷り込まれた生年月日欄への元号については、2002年度用紙分から印刷しないこと。

 扶養控除等(異動)申告書の用紙に、2001年分から新たに生年月日欄への元号印刷が行われた。全学労連は、申告書に対し元号使用をあたかも強制するかのような今回の元号印刷を来年以降の用紙作成においてやめるよう国税庁及び各国税局(沖縄は国税事務所)に申し入れる。右の申し入れ書を紹介する。

 元号使用者の便宜を図るといった理由でいとも簡単に用紙の印刷内容を変えてしまう人権感覚の鈍さは、はっきりと批判しておきたいと思う。


 

「日の丸・君が代」と「教育改革」

 「日の丸・君が代」の法制化(’99年8月)から2度目の卒業式・入学式の季節を迎えた。学校現場では「日の丸・君が代」強制を頂点にした「教育改革」の先取りてき事態が進行させられつつある。学校で働く私たち自身もまた、今現在の学校と時代をめぐる情勢をどう捉え返しながら、いかに運動を展開していくかを問われていると思う。

☆国立に凝縮された学校の現在

 昨年8月に17人の教職員に対する不当処分が出された国立市の状況は一層厳しい局面にある。職員会議の補助機関化が昨年1月の省令改定によって強行されたが、国立の小中学校では更に今年1月、「職員会議運営細則」を一方的に校長が定めた。これによれば、職員会議の席には指導主事らを同席させることができるとされ、現に今年の卒業式に関わる会議に校長の要請によって指導主事が同席する、ということが起こっている。「(卒業式の)当初案になかった『日の丸・君が代』が盛り込まれた。『指導主事はひたすら会議録をとり続けていた…』…」【「朝日」'01.3.7】。

 文部科学省は今年もまた「日の丸・君が代」の調査を開始した(公立小中高校を対象に各都道府県教委、各政令市教委に2月23日調査書を送付)。各地の教育委員会は文部科学省に出す「実施率」を100%にもっていくためにひたすら校長を追い立てる。国立においては校長会の「要望」によって教育委員会が「日の丸・君が代」実施の職務命令を出した(昨年末)。校長は「…国歌斉唱でたくさんの子が着席すれば指導が問われる」とうそぶく【「朝日」前掲】。3月3日に開かれた市民集会で国立二小の保護者の一人は同じ日に行われた学校側の説明会にふれ「クラスに一人、二人立たない子がいれば親の責任で、半数以上座っていたら教師の責任だ、という学校の考えを子どもに伝えたら、『失礼しちゃうよ』と嘆いていた」と発言したという【「朝日」多摩版'01.3.4】。無責任極まりない上意下達体制の行きつく地点で、戦後の過程で培われてきた国立市の学校を含む各地の様々な学校における民主主義的伝統、言い換えれば、子どもたちと親たちそして学校労働者が形成してきた自由な関わり合い、その核心が破壊されていこうとしているのだと思う。自分(達)のことは自分(達)で決めていくという民主主義の基本にかかわることを徹底的に奪っておいて、国家というのために生きることを強制する装置としての学校を機能させていこうとする動きが強められつつある。

☆「教育改革」=「学校行革」

 教育改革国民会議の最終報告などを受けた関連6法案が国会に提出−審議されようとしている。加配方式と臨時労働者の大量導入による「定数改善」〔義務標準法の改定〕と不適格教員排除〔地教行法の改定〕は、学校労働者の分断・支配を一層進めようとするものである。その一方で「奉仕活動(条文では「奉仕体験活動」)の義務化」や「問題行動」を理由とした子どもの排除(「出席停止」)〔学校教育法等の改定〕によって、子どもたちへの徹底した管理と戦争国家体制への動員を狙った「小国民」作りが本格的に開始されたのだ。臨教審以後強められてきた「自由化」「個性化」によって分断された子どもたちは国家的公共性のもとに括られていこうとしていると言わねばならない。

☆戦争国家体制作りに抵抗する私たちのネットワークを!

 「日の丸・君が代」強制の実態が示しているのは9条改悪攻撃を想起するまでもなく学校と地域を貫いた戦争国家体制が打ち固められつつあるということであろう。これに対して私たちはどのように抵抗していくか。「日の丸・君が代」攻撃が学校の枠を越え全社会化したが故に逆に見えてきたことは、「日の丸・君が代」は決して教育問題の枠組みに押し込められるものではなく、私たち自身の思想・良心の自由、社会を形成していく原理としての民主主義に深く関わっているということである。都学労結成(1971)以後蓄積されてきた学校事務労働者(組合)の運動の経験を踏まえて言うならば、日教組の教育主義的運動−権威主義的運動は「日の丸・君が代」を教育問題に囲い込み、「新しい国民」を作るという国民教育運動からついに自由になることができなかった。それは必然的に教育の価値化を背景として、他職種労働者を差別し、子どもたちを教育の対象に枠付けていくものとしてあった。

 「教育改革」−「学校行革」による更なる子どもたちの分断と統合、労働者分断と差別の深刻化に対抗し、学校の内と外を横断した連帯・共生の論理と運動を構成していくこと、それこそが学校と時代をめぐる困難とまっすぐに向かい合っていくことにつながると確信する。

 

文部省が依頼?

北海道勤務実態調査を許すな


2001年3月24日

文部科学大臣 町村信孝 様

全国学校事務労働組合連絡会議 議長 菅原 孝

「北海道の教育に関する実態調査」についての要望書

 北海道教育委員会は今年に入って道内の学校に対して、「教職員の勤務実態及び勤務時間の管理」「学校の管理運営」「教育課程」「教職員団体との関係」の各項目について調査を実施しております。調査内容は、個々の学校職員ごとに勤務時間の実態や研修・職専免・休暇等の取得状況のみならず、組合活動への参加状況までも詳細に調べようというものです。さらに主任手当の拠出、人事異動、職員会議の位置付け、国旗・国歌・道徳指導の実態、教職員団体・学校分会と教育委員会・校長との関係やその間で締結した確認書等にまで調査は及んでいます。

 調査の内容が細部にわたり、多忙な学校現場にさらに多大な負担をかけることの問題はもちろんあります。しかしそれよりも重大なことは、調査項目が極めて意図的に、個々の学校職員の組合活動に関連することに大きな比重がかけられていることです。これは単なる教育の実態調査ではなく、学校職員に対する管理強化を促進し、組合活動に圧力を加える意図により行われていると断ぜざるを得ません。

 新聞報道によれば、この調査は昨年末に文部省(当時)が依頼したものであるということです。これが事実であるとすれば、学校運営や職員の含む監督に関する権限を有しない文部科学省の重大な越権行為です。「学校の自主性・自律性」を促進すべき貴職の管轄下においてこのような調査が堂々と行われているとするならば、極めて遺憾というしかなく強く抗議するものです。

 私たちはこの調査に関して以下の要望をいたします。

  1. この調査は文部科学省が依頼したものか否か明らかにしてください。
  2. この調査の責任者を明らかにして下さい。
  3. この調査を即刻中止し、調査内容は控も含め即刻は記してください。
  4. 同様の調査を他の都府県に対して行っている事実があれば、その内容を明らかにして下さい。

 北海道教育委員会は今年に入って道内の学校に対して、教職員の勤務実態等について調査を実施している。調査内容は、個々の学校職員ごとに勤務時間の実態や研修・職専免・休暇等の取得状況のみならず、組合活動への参加状況までも詳細に調べようというものだ。さらに主任手当の拠出、人事異動、職員会議の位置付け、国旗・国歌・道徳指導の実態、教職員団体・学校分会と教育委員会・校長との関係やその間で締結した確認書等にまで調査は及び、出勤簿や職員会議録など関連帳票類の写の提出までも求めている。

 重大なことは、調査項目が極めて意図的に、個々の学校職員の組合活動に関連することに大きな比重がかけられていることだ。これは単なる教育の実態調査ではなく、学校職員に対する管理強化を促進し、組合活動に圧力を加える意図により行われていると断ぜざるを得ない。

 新聞報道によると、この調査は昨年末に文部省(当時)が依頼したものであるということだ。事実なら学校運営や職員の含む監督に関する権限を有しない文部科学省の重大な越権行為である。「学校の自主性・自律性」促進を一方で言い、他方でこのような調査を堂々と行っている事は許されるべきではない。

 全学労連は3月24・25日に行われた全国代表者会議でこの問題を取り上げ、要望書を作成し文部省に提出することを決定した。学校行革の流れの中で、この問題を北海道だけの問題にしてはならない。


 

2001年度 全学労連 運動方針大綱

◎ はじめに

 21世紀、新しい時代を迎えたものの、依然、私たち労働者にとって厳しい状況が続いています。新自由主義による資本の生き残りをかけた再編攻撃が、労働市場・金融・企業・教育等々、様々な分野において加速的にかけられてきています。といわけ、「規制緩和」「規制改革」の動きは社会的弱者に大きくのしかかってきています。

 そして、私たち公務員労働者に対しても、支配構造の改革の中で「公務員制度改革」や「教育再編」=学校行革等によってリストラ合理化攻撃が強められてきています。

 しかし、本来これらに立ち向かうべき労働組合も、企業・会社を守る方向へ向かい有効な反撃をできないばかりかその組織率も低下の一歩をたどっています。このことは、この間一貫して批判してきた「全的統一」という名で行われてきた労働戦線の分裂、そして多くの疑問を持つ「連合路線」一つの結果といえるでしょう。

 また、このような労働運動の現状の中で、国労の「四党合意」問題は今後の運動に大きな問題と課題を残しました。

 私たちは、引き続き自立した学校事務労働運動の創造・構築を目指し、自立した運動を進める多方面の労働者(組合)との連帯を大切にして取り組みを進めます。

 私たち全学労連は、一連の再編攻撃に反対して闘い続けます。私たちの組合は少数組合です。これに立ち向かうためには早急に学校事務労働運動のネットワークを国庫闘争、学校行革反対や学校事務の共同実施等の闘いを通じて築いていかなければなりません。また、全学労連の5年後、10年後を見据えた展望と戦略を模索していくことも必要になっています。21世紀を生きぬくために。

1.国庫負担はずし阻止・反中教審・学校行革反対のたたかい

(1) 国庫問題

 2000年度国庫闘争も17度目の勝利となりました。

 今、第7次定数改善が学校事務職員も含めて予算化されたことや、大蔵(財務)省の大きな動きもなかった事等、国庫負担はずしに対する危機感は闘いの長期化の中でのマンネリともあいまって、全国の学校事務職員の中で薄れつつあります。

 しかし、財務(大蔵)省は国庫はずしを断念したわけではありません。依然、見直しの対象としています。「学校行革」が進む中で「地方行革」ともあいまって、再燃なしと言い切ることはできません。

 引き続き、財務・総務(自治)・文部科学、三省の動きに警戒しつつ「国庫負担はずし」断念を迫る闘いを継続していきます。

(2) 反中教審・学校行革反対

 ここ数年、全学労連は「教育改革」の名のもとに進められている教育再編=学校行革の動きに警鐘を鳴らし続けるとともに、パンフレットの発行、「共同実施」反対署名(4000名分を集約、12・1全国総決起集会で文部省へ手交)、各県において学習会の開催、事務研究集会(全事研・県事研)等での街宣活動等々、「学校事務の共同実施」「定数の弾力化」反対等を掲げて全力で取り組みを進めてきました。そして、「共同実施」反対署名の取り組みでは、各県において「共同実施」に反対する新たな広がりと手応えをつかむことができました。

 現在、「共同実施」研究加配、それと第7次定数改善があいまって、全事研・日教組の推進勢力を利用しつつ文部科学省はなし崩し的に「共同実施」をはじめとした学校事務の合理化を図ろうとしています。この動きを阻止するために、「共同実施」反対の勢力を拡大して行くことが急務になっています。

 すでに、省庁再編に伴って「中教審」がこれまでの各種審議会を一本化して再編・強化されています。また、「教育改革国民会議」による「教育基本法」改悪・「奉仕活動の義務化」・不適格教員の排除(事務職への配転・免職)等、「教育改革」=教育再編攻撃に対する取り組みも重要になってきています。学校労働者を組織する他団体(全学労組等)との連帯・共闘を追求しつつ、より広範な闘いとするために私たちは主体的にその一翼を担っていきます。

※上記(1)(2)について、別途提起【2001年度国庫・反学校行革闘争方針】に基づき全力で取り組みます。

2.賃金闘争

 労働市場の再編と長引く不況によるリストラ合理化・賃金抑制攻撃は、労働者の生活を根底から脅かす状況となり深刻な問題になっています。

 私たち公務員労働者についても、「不況」「政策破綻」「財政危機」のつけが回されるだけでなく、「公務員制度改革」によって賃金体系そのもの「信賞必罰型」に転換し成績主義の強化や年俸制の導入、非正規労働者(臨時・非常勤・派遣)の活用等によって、差別化による賃金抑制が図られようとしています。

 私たちは、引き続き各組合・団体との支援・連携を強め賃金抑制攻撃に反対する取り組みを進めて行きます。

 また、賃金闘争を再構築し成績主義・効率主義と対抗して行くために、雇用・就業形態が多様化されてきていることを踏まえ、正規・非正規(パート・アルバイト・派遣・嘱託)、女性・男性・「障害」者等あらゆる労働者を視野に入れた賃金のあり方についても議論と検討が必要になっています。

 当面、現在愛学労が全国に先駆けて進めている賃金不払いに対する裁判闘争を全国の仲間とともに支援していきます。また、引き続き超勤問題・勤務時間の厳正化攻撃・昇任選考による賃金体系の複線化の拡大・臨時、非常勤職員の賃金(労働条件を含む)・「再任用制度」等の問題に取り組みます。そのために各県毎の調査と情報交換も行っていきます。

 また、早期6級到達要求を基本に要求事項を検討しつつ賃金要求にかかる文部科学省交渉を継続していきます。

3.反コンピュータ合理化について

 全学労連は結成以来、一貫して「反コンピュータ闘争」の旗を掲げシステムの導入を阻止することを基本に取り組んできました。 しかし現状では、各自治体において全庁的システムとして導入される中で、学校現場だけをシステムから除外させることが困難になるなど、「地方行革」の進行、時代状況の変化に伴い新たな展開が求められています。

 政府(森内閣)により新たな公共投資とも言える「IT革命」が唱えられる中で地方(各県)で更にコンピュータの高度利用(ネットワーク化)が進行することが考えられます。学校現場におけるパソコン導入にも一層拍車がかかるでしょう。

 地方行革攻撃、また「学校行革」反対の闘いと併せて、コンピュータ利用・システム導入・情報問題等についてトータルに見ていくことによって、その問題点を明らかにしていく必要があります。 また、コンピュータ労働による労働災害でガイドラインの見直しを迫られる状況等、労働安全衛生問題での取り組みも必要になっています。

 各県も具体の課題に取り組みつつ「反コンピュータ闘争」について検討を行っていきます。

 また、「住民基本台帳法」が改悪されコンピュータによる住民管理が一層強化されようとしています。こうした動きに対する取り組みとともに個人情報保護や行政の情報公開等についての研究を進めていきます。

4.全国学校事務労働者交流集会について

 第30回全国学校事務労働者交流集会を大阪(大阪市)で開催します。

 阪学労において全交流実行委員会が発足し8月3日〜4日の開催に向けて準備が進められています。実行委員会では新たな試みとして、全交流のホームページを開設して全交流の紹介とアッピールを全国に発信しています。

 この間、相互の交流会を通じて全学労組との交流も定着しつつあります。今年も全学労組に参加要請を行っていきます。

 また、今次交流集会では全学労連の今後の展開・組織のあり方を活発に論議して行く場と位置づけて開催するとともに、各県の協力と工夫を得つつ魅力があり、新たな出会いの場となる全交流にしていきたいと考えています。

 全学労連の飛躍と、参加者が元気を持ち帰れる交流集会にしましょう。

5.行革との闘い、諸課題について

(1) 中央省庁の再編が行われ、今年1月から本格的にスタートしました。それと同時に「行政改革の総仕上げ」と位置づけられる「公務員制度改革」案の骨子が明らかにされました。その内容は、

等が柱となっています。そして、「国・地方を通じた公務員の『仕事の仕方』に抜本的な意識改革と行動原理の変革を迫る必要がある。」と明言しています。

 まさに、この間民間企業等で行われてきた手法をそのまま公務員にあてはめようとするものです。

 「規制緩和・改革」「地方分権」「財政再建」の動きの中で、民営化・委託化の推進、臨時・派遣労働をはじめとする雇用の多様化等、リストラ合理化・人員削減を中心に国・地方を問わず行革の波が本格的に押し寄せようとしています。

 すでに、行革推進本部の「規制緩和委員会」も「規制改革各委員会」と名称が改められ、昨年12月には「規制改革についての見解」を示し、規制の緩和・撤廃にとどまらず「競争促進的規制」の強化を目指して動き出しています。

 学校行革反対の闘いを進めるとともに、行革そのものを撃つ取り組みが必要になっています。

(2) 第6次定数改善が完結し、2001年度より5年計画で第7次定数改善がスタートする。今回の定数改善は「きめ細かな教育」に対する加配という曖昧な基準によるもので、地方の責任増加と文部科学省の恣意的な査定=権限強化につながるものになっています。職員配置の弾力化、非常勤・短時間勤務(再任用制度)等の動き等、定数合理化に警戒していかなければなりません。引き続き、私たちは全校配置実現・複数配置基準の大幅引き下げ、そして全校複数配置の実現を目指していきます。

 また、複数配置について図書館職員に限定するような配置には反対します。学校外勤務や配置のブロック化を求める動きに警戒を強め、定数削減・職階制強化・市町村費学校職員等の削減・民間委託化に反対して必要な取り組みを行います。

 「標準定数法(第6条)」改定の動向に警戒を強めながら、定数削減・職階制の強化につながる「学校事務の共同実施」・「定数の弾力化」に反対する取り組みを強化します。

(反学校行革闘争)

(3) 92年3月、文部(文部科学)省の「小学校ならびに中学校施設整備指針」が策定され、事務室の整備について示されています。  学校現場において私たちの働く場所の確保と整備は重要です。事務室設置の取り組みを強化します。

(4) 「日の丸・君が代」の法制化以降各地で「日の丸・君が代」の強制が更に強権的になっています。

 横浜市における「卒業式・入学式等の国旗・国歌に対する対応シート」問題、そして昨年は国立市においてピースリボン着用に対しての東京都教委の大量処分(戒告8名、文書訓告9名)、また右翼勢力の市民運動等への妨害・嫌がらせも一段と悪質になってきています。

 文部科学省の実施状況調査など、強制を助長する動きに必要な対応をするとともに、学校行事での「日の丸・君が代」の押しつけに反対します。また、この問題での交流を深めます。

(5) 諸課題の解決を目指して、文部科学省交渉を強化します。とりわけ、定期交渉・賃金交渉だけでなく、課題に応じてその都度交渉を申し入れていきます。また、共済組合や福利厚生団体等についても必要に応じて交渉・申入れ等の取り組みを行います。

(6) 賃金・労働条件の各県状況・問題点について研究を深めます。2001年度末退職者(2002年4月任用)より導入(予定)される再任用制度について(賃金・労働条件・短時間勤務の運用等)必要な調査を行います。

(7) 全国学校労働者組合連絡会(全学労組)の交流集会への参加をはじめ相互の交流を図っていきます。

6.各地の闘いへの支援・連帯について

 兵庫・大阪・愛知・沖縄の各学労の闘いへの全国の仲間の支援は、多くの成果と学校事務労働運動に貴重な財産をつくってきました。各地の闘争に対し、要請に応じ可能な限りの支援・連帯を行います。

 また、改悪・制定が強行された「新ガイドライン関連法(周辺事態法)」・「労働者派遣法」・「組織的犯罪対策法(盗聴法)」等、反基地・反安保の闘い、労働法制改悪反対・(労働組合・市民団体)弾圧法反対等の課題についても反戦・平和・反弾圧の立場で各学労の協力を得つつ全国課題として主体的な取り組みを目指します。

7.組織強化・拡大について

 全学労連を全国の仲間に強くアピールするために、学校事務労働者を結ぶ情宣の配布網の一層の拡大を目指していきます。また、学労結成の展望が当面ない地方の仲間とも、オブザーバー加入・情報交換会なども通じて連絡を密にしていくとともにオルグ活動を行います。独自組合結成の動きに支援・協力していきます。

 「学校行革」反対の闘いを機に各組合・団体の学習会への講師派遣(旅費)等の財政措置を行いました。各学労においてもこれらを生かし組織の強化・拡大に取り組みます。そして、「財政」「事務局体制」「全国展開」の面での検討を行い全学労連の組織的飛躍を目指します。 事務局体制の強化と全学労連の今後について議論を進めます。

 

第30回 全国学校事務労働者交流集会(全交流)

webページ公開!!

【まいど!2001年 全交流 大阪大会 Home Pageへようこそ】

 全交流とは?−全国の学校事務労働者が一同に会する交流会です。

 楽しい中にも、内容の濃い交流が行われます。

 学校事務職員の、学校事務職員による、学校事務職員のための労働 組合、学校事務労働組合(学労)の全国連絡会議会=全学労連が各都道府県持ち回りで開催しています。

 あなたも是非ご参加ください。

只今ホームページ 建設中 順次内容を豊富化していきます。乞うご期待。

 昨年の全交流の様子や今後の課題、学労の歴史、掲示板も建設予定!!

 皆さんも、アクセスしてみては!?

http://homepage2.nifty.com/gakuro/

 

2001年度 国庫・反学校行革闘争方針

1.情勢

(1) 進行する労働力再編−行革の背景

 95年5月の日経連「新時代の『日本的経営』−挑戦すべき方向とその具体策−」発表、これに沿った相次ぐ労働諸法制改悪、長期低迷状態から脱せない景気を背景に、失業率は高い水準で横這い状態を続けている。1月30日発表の2000年平均完全失業率は99年に続き過去最悪の4.7%(男性は4.9%と前年比0.1%悪化、女性は4.5%で横這い。12月の完全失業率は、4.8%)、完全失業者は過去最多の320万人となった。このうちリストラ、倒産などの非自発的失業者は102万人を数える。雇用者の内訳では臨時雇いが36万人増え、常用雇用は6万人減と不安定雇用の増大が顕著である。

 こうした労働力再編の動きは公務員労働者をも覆おうとしている。99年4月、地方公務員制度調査研究会報告「地方自治・新時代の地方公務員制度−地方公務員制度改革の方向−」は「臨時職員や非常勤職員など多様な勤務形態の職員を活用して行くことが必要である」とし、「スタッフ職制・専門職制の活用」の提言も行っている。「新時代の『日本的経営』」の主張をそのまま持ち込み、正規職員削減、不安定雇用労働者の大量導入に道を開くものに他ならない。そして正規職員については、能力・実績主義の強調、「民間における手法」にならった「評価システムの整備」等で徹底した効率的活用を図ろうとしている。既に多くの自治体で一般職・教育職それぞれの人事考課制度の研究、導入が始まっている。

(2) 泥沼化する国家・地方財政

 2001年度予算政府案は「改革を先取りした相変わらずの水膨れ予算」(『日経』2000.12.25社説)になった。2001年度末の国債残高は389兆円、国・地方を合わせた長期債務残高は666兆円が見込まれている。国債発行額は新規財源債・借換債・財投債を合わせ131兆円に達する。大量の国債発行は国債の信認の影響し、既に国際的な不振・警戒の対象となっている。

 その一方で、北陸、九州整備新幹線のフル規格での建設や児童手当の拡充など政党利害によるバラマキは相変わらずであり、財政再建の目処すらたてられていない。

 地方自治体の財政事情もまた悪化の一途をたどっている。人事委員会勧告制度を当局自らふみにじる賃金削減が多くの自治体で実施された。縦割り・ひもつきの公共事業による財政破綻のつけが、公務員労働者に回されている。行革・合理化圧力は一層高まり、学校現場での現業職の削減、民間委託化等は引き続き進行している。

(3) 本格化する学校行革

 2000年12月1日、「行革大綱」が閣議決定された。政治主導の公務員制度改革、身分保障に安住することのないよう公務員制度の抜本改革等の「行政の組織・制度抜本改革」、市町村合併促進、自治体の行革推進等の「地方分権の推進」、医療・福祉分野の競争・効率化等の規制緩和を図る「規制改革の推進」、そして「行政事務の電子化」が謳われてる。

 省庁再編により、各省庁は、大臣、副大臣、政務官が政治家出身であり、大臣以外の政治家はこれまでの32人から48人に増えた。特に内閣府は副大臣、政務官各3名、特命大臣3名(行革・沖縄北方対策担当は橋本龍太郎)等十数名の政治家を擁し、大統領的首相制とも、大統領的総理大臣制とも言われる体制が作られた。こうした内閣総理大臣の権限強化を背景に、首相公選論が唱えられ、憲法改正の動きにもつながっている。

 1998年9月の中教審答申「今後の地方教育行政の在り方」に盛られた提言は、次々に具体化されている。学区の自由化=学校選択制は東京品川区、日野市等で早速実施に移され、校長・教頭資格要件緩和、職員会議の位置付け、学校評議員制度の導入についての省令改正を受け、市町村教育委員会の学校管理規則改定作業が進行している。

 行政改革推進本部・規制改革委員会の2000年7月26日付け「規制改革に関する論点公開」は、検討対象を従来の高等教育重点から、初等中等教育にまで広げている。通学区域の弾力化、学級編制・教職員定数の弾力化、教員評価制度のシステム化及びその処遇とのリンク、不適格教員の排除等を謳っている。

 2000年12月22日、「教育改革国民会議」の最終報告が提出された。憲法改正と連動して教育基本法の見直しを図る政府・自民党の意を汲んだものである。中間報告は「酒場の教育談義」と酷評されたが、最終報告も明確なヴィジョンはなく、独断的な現状認識に立ったおもいつき的な17の提言が並べられている。単なる首相の私的諮問機関に過ぎない「会議」だが、一連の「教育改革」の流れの中で一定の世論を形成する無視できない働きをしている。

 文部科学省はこれらの提言の一部を早急に実施に移そうとしている。今国会には義務標準法・高校標準法など関係6法案が提出され、国の標準を下回る学級編制を特例的に認める、少人数指導のための教員定数上乗せ、非常勤講師や再任用職員の定数内での国庫補助(定数くずし)等の内容を盛っている。

(4) 関係諸団体の動向

 第7次定数改善計画に伴う「加配」について全事研本部はいち早く文部省の説明を受け、各県に加配の申請についてのマニュアルを送付した。日教組事務職員部も軌を一にしてほぼ同一内容の指示を行っている。ここに来て全事研、日教組事務職員部の二人三脚ぶりも極まり、ほとんど一心同体の実態が改めて明確になった。共に加配申請にあたっては各地で暗躍し、一部では彼らなりの戦略に基づく内容の加配申請を出させている。

 全教及び制度研グループは中教審答申を批判し、定数削減とりわけ小規模校からの事務職員引き上げの動きに危機感を深めつつ、大阪に見られるように共闘に積極的に応じる姿勢を見せている。

 自治労学校事務協議会は中教審答申の地方分権に関わる部分を不十分としつつ、学校裁量権の拡大を一定評価するなど、自らの地方分権論に引き付けた見解を示している。共同実施には反対の姿勢だが、第7次定数改善計画については、一旦「共同実施は消えた」と評価して以降、明確な見解は示していない。「文部省の定数改善計画の根拠が『共同実施』一本ではなく網羅的な教育改革支援に変更され、学校事務職員の加配分の焦点が曖昧になっていた」({学校事務通信}2000.12.20 No.13)。

2.2001年度国庫・反学校行革闘争方針

(1) 第7次定数改善計画が予算に盛り込まれたことにより、国庫負担問題については切迫した状況にはないと思われるが、国家財政は一層の破綻の度を増していることから引き続き警戒が必要であり、従来の取り組みを継続する。

(2) 第7次定数改善計画による「加配」が実施に移される。共同実施=事務職員合理化につながらないよう、監視し、問題点を追及しつつ、全校配置・複数配置基準の引下げを強く求めていく。

(3) 事務職員の「定数崩し」につながる動きを警戒し、あわせて、再雇用制度がこれにつながらないようにする。

(4) 新たな人事考課制度導入に反対し、いかなる成績主義にも反対する。

(5) 学校行革を率先して推進しようとしている全事研、日教組事務職員部への批判活動を強化する。併せて流動化を強める状況の中で全学労連として明確な運動方向を提起し、組織拡大を図る。

3.具体的な取り組み

(1) 省庁再編に伴う文部行政の変化(中教審の再編強化を含む)に注意し、文部科学省が進めている法改正を含む作業についての情報収集と分析の上に、必要な具体的対応をとる。そのために財務、文部科学、総務3省に対する日常的な折衝ルートを強め3省交渉の継続をはかる。また、地方6団体、文教関係諸団体の動向に注意し、必要に応じた働きかけを行っていく。

(2) 全事研・日教組対策

 全事研・日教組に対する批判活動を積極的に行う。特に事務主任制、事務長制、事務指導主事、事務の共同実施の導入、学校管理規則改悪に向けた策動を許さない。各県での闘いが重要である。

(3) 共闘の追及

 反中教審・学校行革反対の方針の内容を深化し広くアピールしつつ、全学労連が主体となり、学校労働者を組織する他の団体との連帯・共闘を一層進める。

 そのために全学労連に結集する各組合の体制強化を図る。

(4) 国会請願署名

 衆参両院に対して国庫負担堅持の国会請願を行う。地元選出議員や共闘各団体関係議員等から紹介議員を獲得する。

(5) 地方議会・自治体対策

 各県各級議会に対する請願・陳情、または議員提出議案を通じて、国庫負担堅持と配置基準の維持・改善を求める国に向けた意見書の採択を目指す。また、各県、政令指定都市、市町村教育委員会に対し同様の要望を国に対し行うよう働きかける。

(6) 地方諸団体対策

 各団体(地方6団体、文教関係諸団体)について、地方組織から本部に対する要求内容検討時に、国庫負担堅持と配置基準の維持・改善についての要望を盛り込ませるよう取り組む。具体的には各市町村の首長、議会議長、教育長への要請、ならびに、各県事務局への要請行動により、各団体の全国総会等で決定される国への要望事項に盛り込ませる。

(7) 地域での共闘態勢

 地域労働者、共闘諸団体との連帯を深め、署名ほかへの協力や全国集会への支援等地方での広範な運動をつくりだす。

(8) 年末の予算編成時期に向けて、国庫負担外し阻止・反学校行革の全国総決起集会・デモンストレーションを設定する。状況により緊急行動を設定する。


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