2002年9月20日
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全学労連ニュース今号の内容

 国庫負担問題の新局面と全学労連運動の新展開

 第31回全国学校事務労働者交流集会(全交流・横浜)の報告

 全学労組交流会(大阪高槻市)参加報告

国庫負担問題の新局面と全学労連運動の新展開

 真夏の横浜、31回目の全交流に集まった全国の仲間120名は、新たな局面を迎えた国庫負担問題への、今秋からのたたかいの決意と、また全学労連の運動のあらたな全国的な広がりに向けた取り組みを確認した。

 小泉「構造改革」は、規制緩和で利潤を追求する資本の自由度を増し、地方分権というツケ回しで小さな政府を実現し、行財政改革で官民一体の構造を作り、民営化を推進することによる国家統治機構の再構築を目指している。このようなまさに新自由主義の政策を露にして、結果としてあらゆる分野での「痛み」を増す展開を始めている。

 そして今、義務教育費国庫負担問題はその「構造改革」をかかげた「地方分権推進会議」や「経済財政諮問会議」で議論が進んでいる。財務省、総務省、文部科学省の三者の争い行く末は不透明だが、小泉の「号令」の効き目がまだ効くならば、国庫負担制度の見直しが始まる。

 1984年、国庫負担問題が始まったとき、全学労連は、全国の学校事務職員にいち早く警鐘を鳴らし、学校事務職員自らの問題として「国庫負担はずし阻止」のたたかいを提起し、組織した。以来私たちは全国の学校事務職員の先頭でたたかい抜いてきた。

 2002年、今また国庫負担問題の新たな局面に対し、私たちは十数年のこれまでのたたかい蓄積のうえに立ち、全力で「国庫負担はずし阻止」に取り組む。

 そして、全学労連運動の共有化を求め、国庫負担問題の最終局面に対決するために全国の仲間とともに一緒にたたかう組織作りを行う。

(議長 菅原)

 

第31回全国学校事務労働者交流集会(全交流・横浜)の報告

 7月30〜31日の2日間、神奈川県横浜市の横浜港の一角を会場に開催された第31回全交流はメインテーマ「学校行革に負けない生き方」のもと、「共同実施」やコンピュータ化、教育再編の進行が事務職員をはじめとする学校職員の働く現場と働き方に与えている影響を探りながら、それにどう対処していくのかについての情報・意見交換が熱くて和やかに繰り広げられた。

基調報告:
 「国庫負担外し」問題がにわかに浮上している状況について、小泉首相や文部科学省など政府部内の動静を実証的に分析を加え、私たちの今後の対処について方向を提起した。
来賓挨拶:
 教員独立組合「全国学校労働者組合」からは、押し寄せる教育再編の数々と研修権剥奪・歯止めのない時間外勤務の増加の実情を具体例を交えて語られた。
特別報告:
 「電子自治体」、最近聞かれるこの用語が国策に基づいていること、学校事務の領域にも直接関わりがあり警戒しなければいけないことを実例を挙げ紹介された。
懇親会:
 港の明かりがこうこうと点くころ、参加者の多くが集い、各地の近況に耳を傾けながら東北の地酒、沖縄の泡盛に舌鼓を打ち親交を深めた。「これが陰の交流会」と称されるぐらいの楽しいひと時。
分科会:
 4つのテーマに分かれて惰穀交換と意見を交わす。1日目と2日目の合計4時間に渡って。どれも身近で、関心の深い話題でどこも「もっと話したい」の声。
ビデオ上映会:
 急きょ、「住民基本台帳ネットワーク」化を間近に控えていたため企画されたもの。先に実施されている韓国でのとりくみを伝える貴重な代物。一同、感銘を受ける。
まとめの会:
  •  はじめに、2日間に漬る分科会討議の様子が紹介された。各分科会で出されたレポートの内容と、それをめぐって交わされた意見交換や各地の情報の紹介は他分科会参加者にも参考になる。
  •  続いて、主催者の全学労連事務局から行動提起がなされた。国庫負担問題の山場はこの夏場であること、そのために中央・地方とも各方面に強力に働きかけていくことなどが強調された。
  •  そして、集会の総括として、管原議長が、「働き方について考えどういう方向を選択するするのかが問われいる時代だ。そのことをみんなで考え、その実現に向かってきているのが全学労連という枠組みだし全交流である。今集会は働き方について真剣に考えている教員の人達も交えて交流できたことは意義がある。今後は1人でも参加できる組織も出発するのでさらにその輪を広げていこう。」と述べた。
  •  最後に、集会宣言とアピールを採択して、交流で得た元気を持って各地へ戻っていった。
《集会宣言・要旨》
 これまでに守り抜いてきた「義務教育費の根幹たる人件費」が急を告げている。強まる圧力の中、事務職員が生けにえにされかねない。
 私たちはこうした事態にひるむことなく、運動の場所を広げ、仲間とのつながりを強め、しなやかに取り組む。そして、これまで積み上げてきた安心して働き続けることができる状況をさらに維持向上させていく。小泉首相と同じ「競争原理」に基づく「出世主義」に拠ることなく……。
《集会アピール・要旨》
 今目論まれている有事法制3法案は、私たち労働者・市民の生命と安全を守るためのものではない。基本的人権を制限し、再び他国の人々を侵略しようとするための準備なのだ。その一翼を担うことも要求される自治体労働者としても見過ごすことはできない。廃案にさせよう。

集会レポート集をお分けします。

集会参加者に配布されたもの+基調報告記録パンフレット

価格:2,000円(送料込)2冊以上の場合はプラス1,000/冊

支払方法:レポート集に同封の振替用紙にて納入

申込方法:別添申込書をFAXにて送付

全学労組交流会(大阪高槻市)参加報告

 全学労組交流集会には一昨年、昨年に続いて三度目の参加。今回は暑い大阪の高槻市での開催だったが、8月22日の午後1時、会場の高槻市現代劇場はすでに200名近くの参加者で一杯になっていた。

 今年の集会テーマは「教育改革を休もう!〈ゆとり〉でええねん」で、いつもながらのセンスの良さに感心させられるが、矢継ぎ早の「学校労働者への反〈ゆとり攻撃〉への反撃の議論を期待して参加した。

 分科会は「迷走する『教育改革』」に参加したが、「新教育課程」や「総合的学習の時間」「評価評定」が話題になってしまったので、私も佐野さんもいつもより控えめだった。無制限の超勤を強いる「給特法体制」を打ち砕くために、「教育課程」を相手にしてこそ、労働時間をキチンと意識した運動をもっとと思わされた。

 夜になると、各労組の挨拶は予定時間を大きく越え、趙さんの「君が代各国バージョン」に笑いが溢れての懇親会は盛り上がり、今回が最大参加(8名)の全学労連の面々も、いろんな場面での交流をしてきた。

 また、「『給特法廃止』は全学労組の方針でもある。」「全学労連と全学労組との組織的な繋がりを深めるために話し合いをしましょう。」など、今後の私たちの運動との関係の点での話し合いも進んだ。

 帰りは京都に途中下車。副議長生家近くの三十三間堂の「通し矢」は一昼夜ぶっ続けで、平均すれば9秒に一本を射っていたそうで、ただただ感心。

国庫負担堅持のために「国会請願署名」にご協力を!

 小誌冒頭にもあるように、新たなる国庫負担外しの局面をむかえています。10月末には一定レベルの国庫見直しの方向性が出されます。

 全学労連では今年も、「国会請願署名」に取り組みます。毎年衆参両院で採択され、国庫堅持の大きな力となっているこの署名に、全国の仲間の協力をお願いします。署名の集約は10月末日です。最寄りのがくろう組合か、全学労連事務局まで。

「カンパ」に「カンシャ」! まだまだ受け付け中

 夏のカンパの呼びかけに多大なるご協力、ありがとうございます。皆様の応援なくしては、今の全学労連はありえません。今後も山積する課題に全力で闘っていきます。


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