2003年5月10日
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全学労連ニュース今号の内容

 全学労連運動の更なる拡大と繋がりで、学校行革との対決を!

 2003年度 全学労連 運動方針大綱

全学労連運動の更なる拡大と繋がりで、学校行革との対決を!

 3月22日・23日にかけて、2002年度 第2回全国代表者会議を開催し、2003年度の体制と運動方針大綱を決定した。大綱はこれまでのスタイルを一新し、私たちの基本的な方向性と具体の取り組みを箇条書きにして簡素化した。しかし、内容はこれまでの私たちの運動を踏襲したもので大きな変更はない。

 アフガニスタンへの「報復戦争」に始まったアメリカの戦争政策はイラクへの「侵略戦争」へと拡大し止まる事を知らない状況になっている。同時に日本政府もアメリカに追随しつつ、「構造改革」を唱えるなかで、「戦争国家」に向けて支配構造を強化しつつある。

 教育・福祉予算の切り捨て、労基法の大改悪・「公務員制度改悪」による労働者の弾圧、物言わぬ労働者・労働組合へと労働運動への攻撃もますます厳しくなりつつある。

 ここ数年がまさに正念場となる。私たちは全国の仲間との繋がりを更に大きくして、全学労連的運動を今年も展開していく。

○ 20年目の国庫闘争を全力で!

 国庫闘争も20年を迎える。すでに、地方分権改革推進会議・経済財政改革諮問会議で俎上に上り「三位一体改革」の中で総務・財務・文部科学、三省の合意がそれぞれの思惑(省益)の中でどのように進められようとして行くのか?警戒を強めなければならない。

○ 「共同実施」NO!自らの手で未来を!

 賃金削減攻撃、業績評価制度、電子自治体、アウトソーシング、勤務時間問題、等々私たちを分断し合理化を図る攻撃がかけられています。このような中で、「共同実施」を推進することがいかに危険であるかは明白です。「自らの手で武装解除し、自らの手で職を解体する。」 私たちはNO!と全国に発信し続けます。共に自らの手で未来を切り開きましょう。

○ 今年も全交流が熱い!(7月30日・31日横浜で開催)

 今年も全国の仲間が横浜に集う。正念場となる闘いをいかに展開するのか、各地での取り組み、全国状況の分析、等々 今年も熱のこもった企画を進めていく。また、「個人加盟の会」のスタートも目指している。

7月末、横浜で全国の仲間との新しい出会いを楽しみにしている。 

 

2003年度 全学労連 運動方針大綱 

◎ はじめに

 経済の悪化・戦争の危機・支配構造の再編・強化等、資本の生き残りをかけた再編攻撃が私たちの生活に大きくのしかかってきています。これらの攻撃にいかに立ち向かっていくのかが、労働運動のみならず私たち一人一人にも問われています。

 全学労連は引き続き、新自由主義を標榜する一連の再編攻撃に反対して闘い続けます。とりわけ、国庫闘争・学校行革反対・「学校事務の共同実施」反対の闘いを全国の仲間との連携を強化して取組みます。私たちは少数ですが、全学労連的運動の展開とあらゆる人々との連帯を通して大きなうねりとなることを確信して以下の運動方針大綱を軸に取組みます。

1.国庫負担はずし阻止・反中教審・学校行革反対のたたかい

〈2003年度国庫・反学校行革闘争方針より抜粋〉

基本的な方針

  1.  国の責任放棄・転嫁を許さず、義務教育費国庫負担制度改悪に反対する。
  2.  公教育の破壊や学校労働者の労働条件切り下げと管理強化につながる規制緩和や市場原理・競争原理に反対し、これらを進める学校行革と対決する。
  3.  教育基本法改悪に反対する。
  4.  公務員制度改悪に反対する。
  5.  文部科学省の加配方式による第七次定数改善計画に反対し、学級数や児童生徒数(要保護・準用保護数を含む)などの客観的な基準にもとづく定数改善を求める。
  6.  非常勤・臨時的任用などの不安定雇用職員の増加に反対すると共に、再任用職員を利用した「定数崩し」に反対する。
  7.  政令指定都市による教職員給与負担への制度変更(=市町村立学校職員給与負担法改定)に反対する。
  8.  学校事務の共同実施に反対すると共に、学校事務職員の兼務発令に反対する。
  9.  人事考課制度強化を許さず、いかなる成績主義・能力主義にも反対する。
  10.  全国の学校労働者とりわけ学校事務労働者に、進行する学校行革の問題点をアピールして、反対する運動主体を形成していく。

2.賃金闘争

3.行革との闘い、諸課題について

(反行革の闘い)

(定数改善)

(事務室設置)

(「日の丸・君が代」強制反対・反戦・平和)

(交渉・申入れ、等)

(調査・研究活動)

(共同闘争)

4.反コンピュータ合理化について

5.各地の闘いへの支援・連帯について

6.全国学校事務労働者交流集会について

7.組織強化・拡大について

 

戦争ヤメロ!

イラク戦争に反対し、全学労連も抗議行動に参加

全学労連事務局 佐野 均

☆石油利権のため戦争

 もっとも強大な軍事力を持ち、大量破壊兵器もいちばん保有しているアメリカ合州国が、大量破壊兵器を持っているという口実でイラクへの戦争を始めた。イラク軍は壊滅し、既に戦後復興を巡る主導権争いに関心が移っているが、口実とされた「大量破壊兵器」とやらは米英軍がイラク全土を制圧してもなお発見されていない。いつのまにか戦争の口実が「自由」のため「民主化」のためと変わっている。なるほどアメリカは、戦争に反対する国際世論からも自由だったし、遠くはなれた都市をボタンひとつで爆撃可能という意味でも自由でやりたい放題だった。たいした「民主主義」である。元々この戦争の口実は単なる言いがかり以上のものではなくて、石油をめぐる利権のためのものであることは、今や明らかであろう。

 日本国政府は、永久に放棄したはずの国際紛争を解決する手段としての武力の行使に対していとも安易に支持を表明した。有事法制・9条改憲への筋道がまた一歩広げられた。イラク戦争へ反対することは、国際的な平和運動への連帯であると同時に日本国憲法の平和主義を守る国内問題でもあるのだ。

 そうした意味でイラク戦争は、日本も含めた21世紀の世界に大きな影を落としたと言えよう。

☆予定変更でアメリカ大使館へ

 イラクへの攻撃が始まった週末、3月22〜23日には全学労連の全国代表者会議が横浜で開催されることになっていた。前日には東京の芝公園で5万人もの市民が集まり、既に今年に入ってから何度も行なわれている世界同時平和行動、ワールドピース・ナウの一環として集会とデモが行なわれた。全国代表者会議に先立って1日早く上京し、この行動に参加したりアメリカ大使館へ抗議に行ったりした全学労連の仲間も多かった。

 代表者会議初日の夜は恒例の懇親会が予定されていたが、緊急の提起により有志でアメリカ大使館前抗議行動参加、その後新橋駅前での懇親会と切り替えられた。初日の会議を早めに切り上げ、アメリカ大使館へ向かう。ものものしい機動隊の警備の横を通って大使館前へ到着。(この時山田事務局長が機動隊と立ち回りを演じたという話は紙面の都合で割愛する)3日連続抗議行動の3日目とあって、さすがに前日よりは参加者も少なめ。それでも何百人かが歩道前の道路にあふれて、集会や抗議のシュプレヒコールを繰り広げる。全学労連も10数名が参加し、共に怒りの声をあげた。

 翌日の会議の最後に「米英両軍のイラク攻撃に対する抗議声明」(前号ニュース参照)を採択し、いささか変則的となった全国代表者会議を終えた。この抗議声明はアメリカ・イギリス両大使館に送付されている。

☆いろいろな問題をはらみつつ、反戦行動はまだまだ続く

 自分たちのことを棚にあげてあえて言ってしまうが、イラク戦争の可能性が増して以来の一連の行動に参加してきて感じることだが、労働組合の隊列は男の割合が多く、年齢層が高く、シュプレヒコールも古臭く元気が無い。これに対して市民運動の隊列は女性の割合が多く、若者が多く、鳴り物入りでそれぞれに工夫を凝らした自由なアピールをしていて、一緒に歩いて実に楽しいものが多い。労働運動の社会的影響力の低下が言われる中で、その実態が見えたような気がする。これは他人事ではなく、自らの問題として克服しなければ、労働運動に未来は無くなるくらい深刻な課題でもあると感じてしまう。皮肉にもそういうことを実感できるという意味でも、有意義な運動が展開されていることには間違いが無いだろう。

 そうしたことには関係なく、その後も東京では毎週ワールドピース・ナウやその他の反戦行動が繰り返され、毎回万単位のデモ隊が街頭に繰り出している。特に4月5日の代々木公園の集会では激しい雨と風にも拘らず渋谷から青山・表参道・原宿を一周する約4キロのデモが行なわれたが、先頭の隊列が代々木公園に戻ってきた時にまだ出発待ちの隊列が残っているというほどの盛況であった。イラク民衆の頭上には、雨や風どころか爆弾が降っていることへの怒りが形となって現れているということだろう。

 「戦後復興」やアメリカ合州国の次の標的を巡る大国間の思惑が錯綜する中で、ドサクサ紛れに有事法制などの策謀が進められようとしている。これに対抗し世界の民衆と連帯した反戦平和を求める運動はまだ終わったわけではない。我々一人一人が主体となってこの課題を引き受けていかねばならないだろう。

感想に感謝

 先日、パンフ「蹴飛ばせ!!共同実施」の感想のお手紙をいただきました。何度も読んでいただき、製本のホチキスがとれてしまったとのこと、担当者は大変感激しています。

 ふと、職場では孤独を実感してしまうこともある「学校事務職員」ですが、全国的には、多くの仲間たちがいます。私たちを襲う、多くの問題を全学労連とともにぶつかっていきましょう。

 このような感想のお手紙をいただくことは、そう多くはないのですが、いただくとかなり嬉しいものです。

 これからもこのように感想をいただけるよう、双方向型のニュースをめざし、このニュースを読んでくださっているみなさんと全学労連を身近な


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