2003年11月12日
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全学労連ニュース今号の内容

 予算編成作業が「粛々と」進む中、11.7 賃金と義務教育費国庫負担制度で三省交渉,そして12.12全国総決起集会へ

 各学労 大会報告 阪学労

 「学校で、気持ち良く働きたい」共同実施反対の声を明確に表明―青森県学校事務研究大会・シンポジウム報告

予算編成作業が「粛々と」進む中、

11.7 賃金と義務教育費国庫負担制度で三省交渉

そして12.12全国総決起集会へ

 衆議院選挙運動が大詰めを迎えている最中でも、霞ヶ関の官僚たちは「粛々と」年内予算編成に向け作業を進めている。与野党逆転は無く小泉構造改革路線を既定のものとして、むしろ政治の空白を狙って生き生きとしているかのようだ。文科省は義務教育費国庫負担制度の総額裁量制を打ち出し、財務省は義務教育国庫負担金のうち退職手当部分を一般財源化し、さらに来年度から全額を交付金化していく方針を出した。総務省は義務教育国庫負担金の全額一般財源化を狙っている。

 

 6月の「骨太の方針第3弾」で2006年度までに補助負担金削減4兆円という数値目標が提示されたが、全国知事会をはじめとする各地方団体は、その倍以上の補助負担金を削減しその分の税源移譲を求める意見を国に上げ始めている。国の「三位一体改革」に刺激され、それを上回る勢いで地方が動き始めているのに対して、中央省庁は相変わらず自らの省益をかけた綱引き(全学労連的にいうと“蹴鞠遊び”)に明け暮れている。

 我々にとって最悪なのは、各勢力の妥協や改革のアリバイ作りの産物として事務職員の人件費のみが削られ、地方行革の渦の中に生贄として叩き込まれることである。「学校事務の共同実施」がこの際の有効な手段として活用されることであろう。そして学校事務職員制度は消滅する……あまり想像したくない未来図ではあるが、教育の国家統制を推し進めるだけの文科省や、それに追従し予算編成権を持たない都道府県教育委員会が、我々の職を最後まで守るという保障はどこにも無い。官僚間の綱引きに身を任せるのではなくて、自らの労働条件は自らの手で守り、勝ち取ることが重要であろう。

 

 全学労連は11月7日に選挙戦の絶叫を横目で眺めつつ、文科・財務総務の三省と交渉を行った。詳細は次号で報告するが、こうした取り組みを地方でも積み重ねて、予算編成の大詰めの12月12日に、全国総決起集会とデモを行う。この情勢に危機感を持つ全国の学校事務の仲間の結集をお願いしたい。

国庫負担はずし阻止!学校行革反対!賃金削減攻撃粉砕!教育基本法改悪反対!

12.12 全国総決起集会

日時:2003年12月12日(金) 午後1時30分から

場所:港区 交通会館 (港区新橋5−15−5)

  JR、地下鉄都営新宿線・営団銀座線、ゆりかもめ 新橋下車徒歩6分

各学労 大会報告

阪学労 2003年度運動方針を胸に闘う決意!!

 7月18日、阪学労は、第19回定期大会を開催した。大阪市支部の松本さんを議長に選出し、銅委員長の挨拶で始まった。委員長は、

  1. 現在の我々を取り巻く厳しい勤務状況の中で定期大会の日程を決めた。
  2. 国庫闘争も20年目を迎え、税源問題等、非常に危うい状況に直面してる。
  3. 教育改革の一環として、人事評価制度が出てきたが、組合として試行実施には、非協力で臨みたい。
  4. 国の財政負担の政令市への交付問題は、我々の任用に影響があり得る。

 これらについて、組合員の積極的な発言をお願いしたい、と挨拶した。

 次に愛学労他4団体より来賓挨拶があり、方針の提案と質疑・討論に入った。評価育成システムの試行実施については、管理職からの説明のあり方やスケジュール、各支部の対処方針の交流をし、対府交渉での3点確認のもと、自己申告票の未提出等の非協力方針を堅持する意見が多く出された。 また、来年度以降の本格実施に向けて今後は、給与とのリンクを懸念する意見が出された。そして、各支部の取り組みが報告され、松原では、評価育成システムの対市交渉問題と教科書給与手続きの変更問題、守口からは、事務指導主事の職を他の団体が要求したり、兼務発令によって全校に主査を配置して、共同実施を推進しようとする動きについて報告された。大阪市からは、日曜参観の代替日の変更、福利厚生事業の一連の経過及び状況について、そして、当面の闘争推進について提案があった。その後、夏季休業中の勤務実態について各支部の意見交流があり、全ての案件を全会一致で採択した。

 最後に、国庫負担制度の堅持を求める緊急決議が確認され、大会終了後は、恒例の交流会で盛り上がった。

 

「学校で、気持ち良く働きたい」共同実施反対の声を明確に表明

―青森県学校事務研究大会・シンポジウム報告―

 10月3日青森県八戸市で青森県学校事務研究大会が開催された。最大のテーマが学校事務の共同実施のため、隣県岩手県を初め全国から500名近くが参加した。

 大会は、共同実施を推進する姫工大教授・清原氏の講演で開始された。午後の分科会では県内の共同実施の報告と意見交換が行なわれた。

 当日は地元組合青学労の組合員がパネラーの一人として参加し、反対意見を代表して発言。また、全学労連も青学労の仲間と共にビラ撒きを行ない「共同実施反対」を訴えた。

●「学校経営への参加が到達目標」でも「道半ばでもやること自体も大切」

 清原氏は、共同実施の形態を

  1. 学校間連携…一定期に一定箇所にての加配なし共同処理
  2. 学校支援≒事務センター…八戸、宮崎、広島
  3. 第2共同事務室…高槻

 と分類した上で、「目的である2つの柱のうちの1つOJTの実施はすばらしい意義だ。その上で学校運営・学校経営にまで到達しないといけない。」「加配すれば学校は良くなることを証明しないといけない。」と推進側としての高い目標を示しつつ、共同実施の現段階は道半ばという認識と共に、「国庫負担外し対策としても必要」と述べつつも、「形や段階はどうあれとにかくやることが今は必要」と共同実施それ自体も目的であることも明らかにした。

●「共同実施は行政合理化を見越すことも必要」との認識も

 分科会では八戸市の共同実施=学校事務支援室の報告に加えて、三八地区で教育事務所主導で開始された加配なき共同実施=共同事務処理も報告され意見交換が行なわれた。

 教育事務所は「公務員が削減されている状況下にあって学校が20校を10人でやりうることはあり得る。“自分の学校”意識を捨てよ」と本音をはっきりと。また、賛成意見として「一人で広く浅くという限界を、得意分野を作り活かすことになる」などと賛成意見が延べられた。

●相次ぐ「学校にいてこそ」の立場からの反対意見

 これに対して、パネラーのうちの2名が反対の立場から、「20校を10人で、ということは心配だ。」「共同実施のメリットの1つOJTは事務研などのネットワーク化の充実で。」「グル−プ制は加配なしでもあるし、かえって、教育事務所の統廃合などに伴う業務の押しつけや、今の事務職員も減らされる可能性がある中での再編の受け皿にされていく。」「学校にいて気持ち良く、長く働きたい。」と意見を述べた。

 参加者からも、「加配なしの共同実施=グル−プ化の一員だがあまり意義を感じない」と若い事務職員から、また、「常に学校にいて学校運営に寄与している今の状態のどこがいけないのか」と“学校にいてこそ事務職員”という思いからの意見も出され、共同実施が大きな課題を抱えていながら出発した現実が際立つ場となった。


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