WEB 全学労連 |
276号 |
2005年4月16日 |
3月20日、全学労連は第2回全国代表者会議を開催した。前日19日はワールドピースナウの反戦集会。この集会には全学労連からも多数が参加した。「ブッシュのイラク攻撃」「小泉の戦争加担」に反対し、デモを行った参加者面々もその疲れを残さず(?)翌朝からの代表者会議に集結し活発な議論が交わされた。
冒頭議長挨拶では「民間の業績管理手法などを取り入れた公務員制度見直しが間近に迫っている。教育界では、義教金の議論がが中教審審議へ、さらに教基法改悪と問題が山積している。それぞれの組合の取り組みを全学労連に集結しこれからもたたかい続けていく」と決意を述べた。
次年度の運動方針大綱(別掲)では、総務省、さらには地方の給与にも口をはさんできている人事院への申し入れを強化することを確認。また、迫り来る公務員制度改革への調査研究の強化や、国庫問題では年末総決起集会とは別に、中教審が答申を出す前に全学労連の姿勢を示すため、新たに申し入れ・集会等を行い、文科省の唱える「国家教育への道筋」としての義教金堅持とは違う立場から取り組むことが確認された。
いよいよ正念場を迎えるであろう、国庫問題、学校事務職員の危機、さらには教育再編による労働強化へ歯止めを掛けるため全学労連は05年度も闘う。
数年来、緊迫する国庫情勢をにらんで、何かしら新しい情報が得られるのではないかと一抹の期待をもって参加してきた全事研セミナーですが、もう結構、今回限りにしようと思いました。何も報告するような中身がなくて、「ツマンナカッタ」の一語で済んでしまうのですが、編集部からは「折角行ったのだから何か書け」との指示なので、仕方なしに原稿用紙埋めています。
今年で11回目の全事研セミナーは、2月24日、東京メルパルクホールを会場に行なわれました。例年の如く地方からの参加者が多く、旅費の余裕があるんだなー、といつも感心します。神奈川では年々旅費の配当額が削られてきて、私の勤務校では、全国校長会に校長が参加した皺寄せで(修学旅行を除けば県外出張はこの1件だけ)、3月分の旅費は殆ど支給できなくなりました。こんなのはまだいい方で、中学校では12月を待たずに旅費が払底すると聞きます。義教金廃止・一般財源化の急先鋒松沢知事よ、せめて旅費くらい必要額を確保してみせたらどうなんだ、ッタク。
閑話休題。会場整理の手際はよく、大きな座席番号札をもらって席に着きました。会の運営、雰囲気は年々洗練されてきています。緊張でしゃちこ張った司会者のよそ行き言葉、役員諸氏の勿体付けた物腰・・・「洗練」とはつまり「儀式化」ということで、いずれはものものしい「厳粛」さが支配することになるのでないでしょうか、壇上に日の丸が掲げられたりもして・・・。洗練されれば洗練されるほど現場の事務職員の喜怒哀楽とは遠いものになるのでしょう。「学校事務」誌の「まとめ」を読む限り、盛況になればなるほど議論の内容は空疎化・貧弱化している全事研全国大会のように。
会長の神谷氏が挨拶。昨年度から文科省の後援を受けることになったが、今回は文科大臣から祝辞を賜った、といたく感激の体。学校組織マネジメント事務職員版を全事研で作って全国に配布するのだそうです。
文科省財務課長氏の「行政説明」は新味がなくて退屈そのもの。中教審委員の地方団体枠をめぐるいざこざを「地方がゴネている」と言ってました。いつも感じるのですが、どうして文科省の役人というのは味もそっけもない話しかできないのでしょう。彼らなりに事務職員をヤル気にさせる必要があるでしょうに、喚起力ゼロ。一時期例の勝山氏が東奔西走全国行脚していた訳が分かる気がします。けれん味たっぷりのアブナイ語り口ながら、兎も角聞かせる話ができる人材が文科省には他にいないんでしょうね。まがりなりにも教育をつかさどる官庁としては致命的です。霞が関での力関係がこの面からもうかがえます。
中教審「学校の組織運営に関する作業部会」の専門委員をやっていた栃木県の女性事務職員の講演。必死になって毎回発言し、努めて事務職員の存在をアピールしたのだそうです。でも、その中身は「共同実施と事務長制」。10年以上前の全事研の共同実施論からさして進化しているわけではなく、はやりのプレゼンテーションスタイルでやっているのが目新しい程度。専門委員に選出された経過は不明ですが、全事研が送り込んだのでしょうね。
宇都宮大学教授藤井氏の講演「学校組織マネジメントの意義と手法」は、生憎途中で居眠りが出てしまい、内容の紹介はできません。全事研の編集した学校組織マネジメント事務職員版をやたらともちあげていました。当日配布された資料をざっと見てみたのですが、今をときめく教育改革推進のハウツーがテーマのようで、少しもそそられるものはありませんでした。
現在の新自由主義的教育改革を俎上にのせず、その上に乗っかって進められる議論の底の浅さを改めて感じました。これで最後かな、は実感です。こちとらそれほどヒマじゃないもん。
(神奈川 苦虫君)
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