2006年3月19日
top > ニュース > 286号

全学労連ニュース今号の内容

 「市場化テスト」と「マネジメント」流行

 「共同実施の今」 加速する「加配なし」型!

 戦後公務員労働者の闘いの蓄積が一夜にして水泡に帰すことを許すな!

 「教育基本法・憲法の改悪をとめよう!3.31全国集会」へ参加し国会へ行こう!

「市場化テスト」と「マネジメント」流行

 政府は今国会に「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案(市場化テスト法)」を提出した。国と自治体が行っている事務事業の民間開放を「積極的に推進する」ことを目指し、官民競争入札で実施主体が決まるというのだ。

 すでに独立行政法人、pfi、指定管理者制度と公務労働現場の規制緩和を進めて、多くの公共サービスが利益を生み出す業界に変化してきている。今度は全ての業務を民間に開放し、コスト競争で勝ち残ったものが「公務」の実施主体になれるというのである。

 一方、総人件費削減では国家公務員5%と地方公務員4.6%が人員削減目標になり、また公務員賃金は「給与構造の構造改革」で抜本的な削減策が駆使されようとしている。

 つまり、公務員労働者を削減し、公務員が行っていた労働現場(職場)を解体し、その跡に民間企業が利益を生み出す業種としての「公共サービス」を担う時代が近づいているのだ。

 「市場化テスト」の競争入札で民間企業が勝つのは、民間企業の方が「公共サービス」コストが低いからといわれている。それは保育園が指定管理者制度になったときもそうだったが、人件費が低いから「同じ公共サービス」でもコストが低いとあたりまえに想像されている。そこには「同一労働同一賃金」の原則は全く考慮されていない。

 学校も無縁ではなくなっている。すでにpfiで公立学校の学校建設が始まっている。自治体が公的資金で学校を建設するのではなく、民間資本が学校を建て、自治体は毎年の運営費を払い、当面学校の運営は自治体だが、付属施設(図書館とかプールとか)の運営は建設主体の民間が行っているのだ。そこでは容易に想像できることなのだが、学校事務の仕事の一部も民間に移っているのだろう。

 そんな時代に「学校マネジメント」を流行り始めている。「人をどうやって動かせるか」がマネジメントの要点。なにやらわからない横文字を並べて、さも新しいことがあるかのように思わせているが、要は「あなたも働かせる側の人間ですよ」と「自己啓発」(洗脳ともいう)させるものだろう。

 削減される公務員、非正規労働者の増す学校の中で、生活と将来に不安が増す者たちに「あなたは選ばれた、人を働かせる側」の声が麻薬のように伝達している。「共同実施」の幻想は各地の本格的な学校合理化で打ち砕かれ、もはやすがりつけなくなった。そんな中で出てきたのが流行り病の「マネジメント」なのだ。何しろ「ものの見方を変える」「見る立場を変える」だけでハッピーになるのだから。

 長い資本主義の時間の中、労働者は『同一労働同一賃金』を目指した。労働者間の差別や格差を縮小させようとした。新自由主義というのは、本当にその考え方を根底から揺さぶろうとしている。

 だが、あくまで私たちは学校事務職員であり、学校で他の労働者と一緒に働く労働者でい続けようではないか。人を差別し、他人より上になったことに喜んだりせず、きっちり仕事をしていこうじゃないか。なにも「マネジメント」用語をちょっとばかり使って偉くなったと思わないほうがいい。

(議長 菅原)

 「共同実施の今」 加速する「加配なし」型!
「行政合理化」におあつらえ向き

 来年度政府予算案には、教職員定数の加配分はわずかしか盛り込まれていない。このことで、「加配付共同実施」は今以上の増加は不可能となろう。こうした中で、各地で、「加配無き共同実施」が加速している。私たちは今一度、「共同実施」がもたらす影響について、冷静に見直すことが求められている。

定数加配の終焉

 2007年度は教職員全体で加配総数はたった329人である。一県あたり6〜7人。事務職員に回ることはまず考えられない。

 一方では、「特に人員の多い教職員については、児童・生徒の減少に伴う自然減を上回る純減を確保する」(「行政改革の重要方針」05年12月)ことや、アウトソーシング・リエンジニアリングなどの業務の外注化・省カ化が画策され、給与・教育事務所の再編・廃止でチェック業務がないがしろにされていく。「共同実施」を実施することは、こうした状況を加速させ学校事務を変質させるだけでなく、職員を行政合理化の渦に巻き込まずにはおかない。

各地で相次ぐ「加配なし型」

 給与・教育事務所の再編・廃止に伴いチェック機能の手抜きや取り止めが、「共同実施」による学校現場同士での共同チェック志向を促す要因にもなっている。このため、今主流は、「加配(夢見)型」から「加配なき共同実施」型(現状維持型)に移りつつある。

 三重県をはじめとするこの型は、新たに埼玉県、沖縄県、群馬県、福岡県でも来年度に導入を企図されている。

「未配置校支援」も任務に

 しかし、事態はさらに深刻である。

 群馬県の実施要綱には「事務職員の未配置校や大規模校等の業務を支援する。」と明記されたことである。

 山間部・都市部を問わず極小規模校が出現しつつある現在、そこを非常勤化したり、事務職員を引き上げたりすることは想像に難くない。「共同実施」は「行政合理化」におあつらえ向きなのである。「共同実施」に未配置校の業務を請け負わせるのである。

悪循環を断ち切らねば

 このように、「共同実施」は、「行政合理化」→「共同実施」→「行政合理化」→「共同実施」の循環に組み込まれていってしまうことになるといわねばならない。

 私たちは、「学校にいてこそ学校事務職員」であることを再確認していくことからしかこの状況を克服することはできないのではないのか。学校から抜け出すことで展望が開けるというほど甘くはない。脱出のあげく、学校には戻れず、棄民ともなりかねないことも肝に銘じておく必要があろう。

 ・・・・がくろう神奈川機関誌「連帯 no.146」より

 戦後公務員労働者の闘いの蓄積が一夜にして水泡に帰すことを許すな!

 阪学労は、昨年12月20日に提案のあった「平成18年度の給与構造改革に向けた見直しについて」に対して折衝・協議を続けてきたが、1月23日府教委は提案内容の一部修正を行い、これをもって2月議会で条例化する旨を伝えた。これを受け25日交渉を行った。

 

 修正提案の内容は、(1)給料表の一部の級について、最高号給を府の実態に合わせて設定する。(2)職務の級の格付について、3級を適用する新たな職の創設を進める。(3)主査級の選考方法の見直しを進める。(4)再任用職員の新級格付で生じる格差を縮めるため、間差額を行政職で1/2、医療職2表で2/3加算する。(5)役職段階別加算を当分の間06年3月31日に適用されている加算割合を保障する。(6)初任給決定で基準の引下げを行わず最初の昇給時に減額調整をする。(7)勤評の昇給・勤勉手当への反映を07年度からに変更する。と言ったものだ。

 阪学労の反論の要旨は、イ)国人勧は全国に展開する国家公務員を統一的に管理する立場から全国の給与水準の格差を視野に入れた給与制度が必要なのは一定理解できるが、単体で狭い地域の大阪府がそれにならう必要も根拠も無い。従って給料表を北海道・東北地方の給与水準に引き下げる事は不当である。ロ)職務の級の格付けも、職階を登る知事部局や警察と、生涯教員・生涯事務職員が圧倒的多数の学校では、組織構造が違う。その違いを補完してきたのが「ワタリ」制度だ。それを廃止して職務に対応する級に固定するのは不当である。ハ)勤評の給与等への反映は、「評価育成システム」導入時の説明と乖離している。また、システムそのものが未だ定着・機能しておらず、評価者もその職務に精通しておらず、正しく運用されているかの検証もされていない。そのような評価制度を給与等へ反映するのは乱暴だ。ニ)退職手当の見直しは、上厚下薄の現行給与制度が給与構造の見直しで格差が拡大するうえ、新たに上厚下薄の「調整額」が加算されるため二重の格差拡大・差別的改悪である。と言うものだ。

 

 府教委の修正提案は、極一部で譲歩を示したが提案全体を見ると極めて不当な内容だ。我々事務職員の場合、かろうじて3級への道が開かれたが「ワタリ」ではなく選考であり全ての人が3級へ上がれる訳ではない。年収300万円台、40才後半で昇給停止といった事が現実になりつつある。戦後公務員労働者が営々と蓄積してきた給与制度が一夜にして水泡に帰そうとしている。

 

 交渉は、平行線をたどり時間切れ決裂となった。銅委員長は、地方分権を標榜する太田府政が何故中央集権的な国人勧に追随するのか。提案は、大阪府の独自性も独立性もない。府は、財政難を理由に5年に渡り賃金抑制を続けてきた。これ以上の賃金引き下げと「小さな政府」論は、大阪府の行政機能を低下させ、地方公共団体の存在意義すら変節させるだろう。我々は、これ以上の賃金引き下げを認めることは出来ない。と怒りを当局にぶつけた。

 

 府教委は、2月議会へ条例化を目指し給与構造改革の骨格部分を上程するとしているが、我々はなお提案内容に不備があり、運用や規則部分についても協議の余地があるため、引き続く協議を求め、府教委もこれに応じた。我々は、最後まで給与制度改悪阻止に向けて闘いを継続する。

「教育基本法・憲法の改悪をとめよう!3.31全国集会」へ参加し国会へ行こう!

 都教委は、卒業式・入学式での「君が代」斉唱起立に関して、3月13日、「生徒への指導を教職員に徹底するよう」命ずる“通達”を全都立高校長宛に出した。03年10月都立学校に出した、「教職員自身の起立」などを義務づける通達から、「生徒への指導」とさらに一歩踏み込んだものになった。これにより、生徒が立たなかった場合でも教員が懲戒処分の対象となる可能性もでてくる。また、この時期のアピールとして、記念式典で不起立だった都立養護学校女性教諭を、13日に一ヶ月の停職処分とした。

 着々と教基法「改正」を先取りする事態が各地で進んでいる。・・・しかし、

めげずに抗議しよう!

いやなものは「いやだ!」と声に出そう!

国会上程を阻止するために、日比谷に集まろう!

日時 2006年3月31日(金)

17時開場 18時開会 19時〜デモ

場所 東京・日比谷野外大音楽堂

参加費 無料


top > ニュース > 286号


無料 WEB-page スペースを利用しているため、広告が表示されますが、全学労連とは無関係です。



inserted by FC2 system