2006年5月13日
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全学労連ニュース今号の内容

 全学労連 05年度第2回全国代表者会議 開催

 2006年度全学労連運動方針大綱

 第35回 全交流・沖縄に参加しよう

 福島県「教職員評価制度」05年度末報告

 横浜で再任用拒否ー横浜市教委を糾弾する

 「教育基本法・憲法の改悪をとめよう!3.31全国集会」集会参加報告

全学労連 05年度第2回全国代表者会議 開催

 全学労連は去る3月18日・19日、第2回の全国代表者会議を行った。昨年末、国庫負担が1/2から1/3へと減額後、はじめての代表者会議。各県からは05年度国庫決着の総括と4月以降の新たな闘いが、別掲の「運動方針大綱」をもとに力強く語られた。

 「文科省が権益として守り抜いた1/3国庫負担は教育の国家統制を考える上で必要最低限の数字と言える」。また「1/3負担になったことにより必然的に事務職制度は、ますます合理化対象になっている」、といった意見が出された。“事務職”と名指しで削減するまでもなく、地方各県の合理化進行の中で「もう事務職はいらない」といわれることが間近に迫っているといえる。1/3でも国庫負担は残っている、合理化せざるを得ない状況に追い込まれた各県は、今後ますます学校事務の“共同実施”や“電子化”により合理化への圧力が一層強まるであろう。我々は「労働組合」としての闘いを貫き通すことが確認された。

 また、各地で着々と進行している“共同実施”については、群馬で県教委主導の共同実施が進んでいて(全学労連no.285参照)、事務職員の中で反対しているものもいるが「よくわからない」が多くを占めている。また、青森では「賛成」・「反対」・「よくわからない」がそれぞれ1/3程度ずつ、という傾向だという。それぞれの“共同実施”の手法は様々だが、全事研などの研究団体の動向を見ると、自らの「長・ポストほしさ」に率先して“共同実施”を推進している感が否めない。そのために合理化が進行するのであれば断じて許されることではない。全学労連は以前から“共同実施”の危険性について常に警鐘を鳴らしてきた。pfiや指定管理者制度が行政の一手段として広がりを見せている中、自ら民営化への道を選択する事はない。全学労連は、これからも各地の“共同実施”を批判し闘いつづける。

 さらにそれら運動の基礎となる各学労の組織問題は、ここ数年継続の課題となっている。国庫負担が一定程度の決着を迎えたが、前述の通り、ステージが国から地方へと移ったことにより、ますます学校事務職員制度に危険信号がついている。各地での闘いが今まで以上に重要になってくる。

 このほか、国庫・反学校行革・教育基本法改革反対闘争方針、対文部科学省要求書、予算案、事務局体制についても全会一致で可決され、06年度へ踏み出した。

 今年、全学労連はスローガンも新たに、更なる問題・課題へ臨んでいく。今後も皆様の応援・支援をよろしくお願いします。

 

2006年度全学労連運動方針大綱

はじめに(情勢に代えて)

 以下、項目のみ

1 国庫負担はずし阻止・学校行革反対・教育基本法改悪反対の闘い

国庫負担はずし阻止・学校行革反対・教育基本法改悪反対の闘いを一体にとらえ、学校と我々の雇用と労働条件を守る闘いと位置付け、別途提起の「2006年度国庫・学校行革・教育基本法改悪反対闘争方針(案)」に基づき取り組みます。

2 賃金改善の闘い

給与構造改革は、公務員労働者が営々と積み重ねてきた「格差の少ない」給与制度(ワタリ)を一夜にして水泡に帰させ、競争主義による上厚下薄格差拡大の差別的給与制度に変えようとしています。格差拡大を阻止するための各県での取り組みが重要です。

3 諸課題について

(定数改善)

04年度の総額裁量制導入以降多くの都道府県で標準法を下回る配置が現れています。特に要準加配はほとんど標準法が守られていません。標準法遵守を文科省に求めていきます。

(事務室設置)

(「日の丸・君が代」強制反対・反戦平和)

(調査・研究等)

(共同闘争)

4 反コンピュータ合理化について

5 支援・連帯について

6 全国学校事務労働者交流集会について

7 組織強化・拡大について

 

第35回 全交流・沖縄に参加しよう

 今年の全国学校事務労働者交流集会(全交流)は沖縄・那覇市で開催されます。

 詳細は現在、全学労連事務局、沖学労実行委員会で検討中です。米軍基地再編で揺れ動かされている沖縄で、今後の学校事務労働と反戦・平和を皆で改めて考えよう。翌日(31日)にはオプションで普天間基地や辺野古などを視察する反戦・反基地ツアーも予定されています。

 是非、この夏の計画に組み入れて、皆で参加しよう。

メインテーマ
「学校事務・学校事務労働運動のこれから(仮)」
日時
7月30日(土)
反戦ツアー
7月31日(日)
会場
「沖縄県青年会館」
沖縄県那覇市久米2−15−23
 

福島県「教職員評価制度」05年度末報告

福島県学校事務労働組合

 全国で導入が進められている教職員の人事評価制度ですが、福島県も例に漏れず新しい教職員評価制度が06年4月から導入される予定でした。ところが今年1月、その内容を大きく転換して導入となりました。このことについて報告します。

 福島県教育委員会は今年1月、「新しい教職員評価制度について」の通知を出しました。通知は簡単なもので、「その内容を改め自己目標の設定とその達成度について自己評価する目標管理手法を実施する」というものです。「教職員目標管理制度の導入に向けて」パンフを付け、「教職員評価制度」から「教職員目標管理制度」に名称を変更して実施するとしています。後日、福事労はそのことについて県教委に説明を求めました。県教委は「目標管理制度は新たな勤務評定としての機能を持たずに、教職員の研修制度として06年度4月から実施する」とのことです。

 県教委はこれまで、教職員評価制度導入の目的は「現行の勤務評定を廃止して新たな勤務評定制度を挿入する」としていました。今回その方針を大きく転換し、現行の勤務評定は廃止せずに従来どおりの方法で行い、「目標管理制度」は教職員研修として行うとしています。最終的には、来年度は二つの評定が学校で行われるようになり、その関連性については不透明なままです。

 福事労は、「評価結果が賃金や労働条件に反映させない」ということを基本に、教職員評価制度の問題点や事務職員の不安の声を県教委へ伝えてきました。そして今回、このようなかたちで、06年度からの教職員評価制度の本格実施を踏み止まらせ、一定の歯止めを掛けることができました。すべてとは言いませんが、福事労や県教組の反対するこれらの取り組みの総力がその理由のひとつであったといえます。

 このような状況から06年度は、強制力が弱い研修制度で導入となりましたが、当制度は公務員制度改革や給与構造改革の動きを十分に視野に入れ、将来的にはその評価結果を賃金や労働条件に反映させる含みを十分持っているものです。引き続き注視し取り組みを強化していきたいと考えています。(n.o.)

 

横浜で再任用拒否ー横浜市教委を糾弾する

○ これは組合差別だ

 がくろう神奈川の組合員が不当にも再任用を拒否された。横浜市教委の暴挙に、全学労連各組合及び友好組合から抗議文を集中したが、頑なな市教委の姿勢は変わらない。

 当該組合員は、がくろう神奈川結成で合流した独自組合の一つ浜学労を20年来中心的に支えて活動していたメンバーである。無論がくろう神奈川発足後も積極的に組合運動を推進してきた。任用拒否の理由は彼の長年の組合運動を理由とするものとしか考えられない、まさに組合差別である。

 再任用制度とは何か。人事院が制度発足に当たって出したパンフレットが懇切に解説している。曰く「公的年金の支給開始年齢の引上げが行われることを踏まえ、職員が定年後の生活に不安を覚えることなく職務に専念できるよう雇用と年金との連携を図るとともにー略ーために定められたものですので、任命権者は、再任用を希望する定年退職者等については、できる限り採用するよう努めることが求められるものであることに留意しなければなりません」と。また、「q&a」では、希望したが再任用されなかった職員に対しては「職員等の理解を得るためにも、また、選考の透明性・任命権者の説明責任を果たす上でも、できる限り再任用できなかった理由を速やかに説明するよう努める必要があります」としている。

 横浜市教委のやり口はどうか。1月末に「選考の結果、残念ながら再任用できませんので、ご了承ください」という一片の通知を寄越しただけ、当該と組合の「理由を明らかにしろ」という追及に対しても、「総合的判断である」の一点張りであった。総合的判断の中身は「健康、勤務実績、面接、ポスト」と市教委は言うが、本人の健康に問題はなく、勤務実績は定年まで勤め上げたことで実証済み、面接は制度の主旨から言えば本人意向の確認程度の意味しかもたないはず、ポストは、横浜では総事務職員数のほぼ1割に当たる50人程の欠員があって臨時的任用職員で充てられているのだから、これも理由にならない。まさか任用拒否などあり得まいと誰もが考えていた。県教委すらも首をかしげているが、政令市の横浜市教委のやることには口出しできないのが実態だ。

○ 背景としての横浜市教委の特異体質

 こうした事態の背景には、神奈川県下でも特異な横浜市教委の体質がある。傲慢不遜、典型的な官僚体質(小役人根性といった方が性格か)に骨がらみなのだ。ここ数年だけでも、敷地内全面駐車禁止、自動車通勤原則禁止、2学期制導入、人事異動制度改悪(本人希望がなくとも校長判断で追い出される)、厳罰主義(先日は酒気帯び運転の教員が懲戒免職になった、事故は起こしていないのに)等々。現場労働者へのいじめとしか思えない施策を問答無用とばかりに相次いで打ち出している。こうした市教委に登用される管理職には当然のことながら虎の威を借る狐の輩が少なくない。無理な職員配置で疲弊しきって療養休暇を取らざるを得なかった新採用教員を「依願退職しなければ分限免職になる」と脅した校長は、今、教員独立組合によって裁判の被告席に立たされている。

○ 市教委崩壊現象

 一方では、全国紙に鳴り物入りで取り上げられた(取り上げさせた)「特色つくり予算」(実態は無意味な予算費目をでっち上げて従来と変わらぬ予算額を細分化しただけ)はわずか4年で廃止。これに限らず朝令暮改は茶飯事で、そのたびに現場は泣かされる。この9月に導入予定の財務システムに関わって、「副校長(横浜での教頭の職名)用のパソコンは予算配当できないから学校で何とかしろ」という通知を出した1週間後には、「市教委内の節減努力で可能になったから予算を配当する」という文書が届く。3月も半ば過ぎ、500数十校から注文が殺到し、現物が入るのは4月末なのに、3月中の「検収」に取り繕って支出命令書を出すことになる。何かにつけ「予算の適正執行」をやかましく言う市教委が、平気で規則やぶりを唆すわけである。「請求書受理から30日以内」の支払期限が守られず、あまりの遅延に怒った業者団体が申し入れを行ったとも聞いている。文書の誤字脱字、ミスは日常的。私たちの間では「学級崩壊」ならぬ「市教委崩壊」という言葉が飛び交っている。かつては、市教委職員とは何かにつけ相談したり、業務の改善案を提示したりという関係だったが、今ではただただ冷ややかな眼差しを向けるだけになっている。これで学校が良くなるわけはないが、ともかくまともに付き合う気が失せているというのが正直なところだ。

○ 中田市長再任にため息

 先日の市長選で、中田市長が圧勝した。職員室では少なからぬ職員がため息をついていた。小泉流の構造改革を推し進める中田は保育園や給食調理の民営委託化を進めている。

 庁内報の年頭挨拶で、相次ぐ給食での異物混入(地元紙は盛んに取り上げるが、なにやらやらせ臭い気がする)を取り上げて「民間では安全性を保てないというが、公務員が調理していても異物混入が頻発しているではないか」という趣旨のことを語っていた。「お前の部下だろうが」と心底侮蔑した。その後、民営委託した学校でも異物混入があったそうだ。市職員の給与明細の裏には銀行の宣伝が刷り込まれるようになった。市の封筒にもコマーシャルが入った。市営バスはケバケバした企業広告に塗りたくられて、障害を持った子供たちは目印を失って困っていると聞く。区役所職員はどうやって企業から広告を取るかに血眼という噂も聞いた。えげつない下品さこそが中田市政のもたらしたものだ。

 その中田が、前の文科省課長に代えて東京から教育長を招いた。新聞インタビューで「何事も数値化できないものはない」と語っているのを読んで唖然とした。こういう人物が教育行政のトップなのだ、先が思いやられる。こうした状況の下で、学校現場には憤懣が渦巻いている。これでまともな教育などできるわけがない。がくろう神奈川は、決して「教育のため」というだいそれた意味でなく、ともかくまともな、人が人らしく働ける職場に快復させるために、精一杯抗っていこうと思う。

 ・・・・(がくろう神奈川 怒り心頭)

 

「教育基本法・憲法の改悪をとめよう!3.31全国集会」
集会参加報告

 3月31日(金)日比谷野外音楽堂で、「教育基本法・憲法の改悪をとめよう!全国集会」が開かれた。花冷えの寒さの中、全国から4,000名を超える参加者が集まった。59年前(1947年)の3月31日に教育基本法は公布された。奇しくも、この日は教育基本法の59回目の誕生日だったのである。

 司会者からの集会開催の経過報告に続いて、呼びかけ人の一人小森陽一氏から発言があった。「今日の集会の意義の一つは、教育基本法をなんとしても変えてはならないという国民の多数の意見を国会に、私たち自身の行動と声で届けることである。・・・教育の問題はひとつの国の100年の歴史を決めてしまうもの。そのひとつの国にとって大事な教育の問題を、自民党と公明党という与党だけで、しかも密室の中で、その話し合いの中味は一切誰にも明らかにせず進めようとしている。密室の中で行われようとしている国会上程がいかに国民に対する裏切りなのか、そのことをこの集会を経て、それぞれの地域でみんなが地域の自・公の議員に突きつける。こういう運動をあと2週間で、全国でどのくらいできるか。国会の流れを変える大きな条件だ。」

 続いて各地からの運動報告、呼びかけ人高橋哲哉氏、共産党、社民党の国会議員からの発言があった。この日東京都教育委員会は、今春の卒業式に関し、またも33名もの教員に停職・戒告の不当処分を出した。三宅晶子氏はこのことについて「この間の都教委の処分で否定されているのは、歌ったり話したりする口であり、演奏したり指揮したりする手であり、リボン、ブラウスであり、からだの向きであり、子供を見つめる目だ。すなわち、私たちが生きている身体そのものであり、感じる良心、考え、表現する意志である。これらが許せないということは、生きている人間の存在そのものが許せない、ということに他ならない。」と述べた。呼びかけ人の大内裕和氏は最後に「政府・与党によって今、クーデターがなされようとしている。今こそ、戦争協力を拒否する主権者として、教育基本法改悪反対の意思を示す必要がある。今日の合言葉は『今こそ国会へ!』だ。今こそ国会へ、私たちの改悪反対の意志を届けよう。」と呼びかけた。アピール採択後、国会へ向けてデモは出発した。デモ途中、北海道から帰省中で集会に参加した学生からの教育基本法改悪反対の決意表明や、都の教員から卒業式処分に関する報告がされた。衆議院、参議院前で共産党、社民党議員へ激励の声をあげ、解散地点へ到着した。春浅く厳しい冷え込みの夜だったが、参加者の熱い思いが国会を取り巻いた。集会の中で、5月連休までが国会上程の山場であると報告されていた。上程阻止へ向けてこれからが正念場になる。厳しい状況ではあるが、それぞれの地域で諦めない闘いを続けていく決意を新たにする集会だった。(東京・uさん)

【編集後記】のようなもの

 最近、物忘れが多くなってきた。というか「ついさっき」が思い出せなくなってきている。年齢的には早い気がするが・・・。情報量が多くなっているのか・・・。テレビ放送などでやたらと“脳の若返り”ようなクイズ番組が多くなっているのは、私のためかな・・・なんて思う。ゲーム機でも “脳を鍛える”なんてのを連れ合いが買ってきて毎日一生懸命鍛えている。私が試してみると脳年齢は“14歳”も年上だった。「ふーん、14歳年をとるとこんなに忘れっぽくなるのか。」などと他人ごとのように考えている。・・・実際自分がそうなのに・・・。(よ)


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