2007年7月28日
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全学労連ニュース今号の内容

 7.19 全学労連 中央折衝

 都教委の休息時間の廃止を許さない!妥結を拒否!

 地方公聴会は居酒屋談義以下

 シリーズ共同実施 管理職気取りで威張る事務長

7.19 全学労連 中央折衝

 全学労連は7月19日、中央折衝を行った。総務省とは「地方公務員制度改革」の中身についての質問、文科省は先に提出した要望書(本紙No.296参照)をもとに交渉した。詳細は次号で報告するが、以下それぞれの回答ををいくつか報告する。

総務省

1 公務員制度見直しについて

(1) 「国家公務員制度改定」案が閣議決定され、本国会での審議が始まるということですが、地方公務員制度の見直しについては、現在どのような段階であるのか。予想される見直し項目、スケジュール等をお示しください。

○ 地公法改定案は5/29に提出している。しかし、国会開会となったため継続審議になっている。中身は公務員制度改革の一端である。

(2) 上記の「公務員制度改定」では、公務員と労働基準法および労働安全衛生法との関係に見直しがなされるのですか。

○ その観点で考えてはいない。

(3) 特に公立小中学校に勤務する県費負担教職員については、雇用主責任と事業主責任および使用者責任が同一者ではないとされて、その責任の所在が明確でありませんが、その見直しは想定されているのでしようか。(たとえば、雇用時の労働条件の明示実行者の責任、雇入れ時の健廉診断の実施責任、労働安全衛生法の健康診断の責任など)

○ 想定していない。

○ 公務員制度見直しは、大きな柱として「人事評価」「退職管理」である。それも、民間のような年俸制を想定しているのではなく、昇格時の能力評価が必要と言うことが基本になっている。もちろん、職場に応じた評価は今後研究が必要である。職階制廃止とは、代わりに人事評価をいれると言うこと。このことにより職の位置付けが明確になる。

2 公立小中学校の定数内欠員補充教職員の雇用期間の制限について

 最近、公立小中学校では標準法の定数内でありながら、欠員補充臨時教職員(雇用期間が1年を超えない一般職の期限付き採用職員)数が増加しています。

 ところが、期限付き採用でー年間(4月1日から3月30日まで)雇用された者が4月1日から再雇用することが地方公務員法2条で制限されているとされ、一ケ月以上の雇用の間隔(都道府県差がある)をあける都道府県が多くあります、地方公務員法22条の雇用制限についての総務省の考え方を示してください。

○ 地公法22条の臨時的任用を、地公法17条の欠員で任用を常態化することは、明らかに脱法である。公務員の臨時的任用はあくまで緊急の場合であって、常態化するものではない。ただし、教育委員会にこの件で調査することは難しい。

文部科学省

1 義教金制度及び学校事務職員制度について

(4) 政令指定都市への教職員給与負担移管及び市区町村への人事権委譲を行わないこと

○ 17.12.26の中教審答申で「市区町村へ人事権を…」の話だと思うが、全ての市区町村で人材を確保することは大変難しいと思う。地教行法改定で「人事権は市町村教育委員会の内申に基づいて…」としていることで代わりとしたい。

(5) 「学校事務・業務の共同実施」を推進しないこと。又、学校事務職員の兼務発令を出させないこと。

○ 学校事務職員の専門性を高めるため有効だと考える。今後も推進していく。

(6) 教職員配置に関する調査研究委託事業「事務の共同実施による教職員配置の実践的調査研究事業」を中止すること。

○ 18年度限りで予算は打ち切られた。ただし事業自体は「別名称」で昨年と同一校5校で継続中。

○ 共同実施研究事業については「学校事務」に各校の取組状況と文科省コメントが掲載される。

2 定数改善等について

(1) 加配方式による定数配置を行わないこと。又、学級数や児童生徒数(要保護・準要保護数を含む)を基準とした抜本的な定数改善を行うこと。

○ 改善ではなくても、適正な定数を20年度の予算へ計上する。アウトリーシンクやボランティア、定数が今回の概算のポイントだ。

3 <前略>「全国学力・学習状況調査」の結果公表をしないこと。今後のこのような調査をしないこと。

○ 「学力調査」は学力の現状課題把握のために行った。結果は学校名・市町村名も公表していない。教育は国の根幹を成すもので、いま教育の賃の向上が大切である。今後各学校の指導の改善に繋げたい。

○ 「学力調査」は本来の目的を見失わぬよう、徹底したい。

4 労働環境の整備について

 教職員の休憩時間を確保すること。そのために各都道府県教育委員会に対して、労働基準法に基づく休憩を保障する旨の通知を出すこと。又、勤務時間の申に休息時間を設けること。

○ 休憩時闇の確保が小中学校では難しいのは認識している。休息は条例で決めていることだが、民間ではあり得ない時間だ。ー般市民への説明が付かないので廃止した。休憩時間は放課後等を利用し交替で確保していただきたい。

○ 基本姿勢として文科省は国庫負担制度堅持という認識である。

 ここから質疑

学校統廃合により定数に余裕が出るのでは?

○ 定数減にはなるが自然減扱い。ー時的に余っても翌年には自然減として扱われる。努力削減したもの(計画による削減)ではない。

人事権のことで「内申をまって」と「内申に基づいて」は違うのか?

○ やってることは同じでも、法律的には大きな違いである。

定数と過密労働の関係は?

○ 昨年の勤務実態調査を踏まえて8月の概算要求へのせる。

教育関係公務員といえども、きちんとした労働法制の中で定数・労働環境を考えていただきたい。

都教委の休息時間の廃止を許さない!妥結を拒否!

「常哉的な範囲における小休止」としてトイレ、お茶、喫煙、VDT労働の小休止を容認

学校事務ユニオン東京

 都教委は6月19日の提案時に回答期限を翌々日の21日にしようとした。都労連妥結直後に私たちに提案し、2日後の回答を迫り、交渉をセレモニー化しようとする都教委の欺瞞性に対し、組合側は(1)都労連と同時・同規模の提案を行うぺきであり、(2)組合の機関運営の実態を無視した交渉のルール違反だ、として交渉による協議を要求した。これにより回答期限は7月4日となり、7月3日に回答交渉を行うこととなった。

 第2次要求とその回答は以下の通り。

 

1 貴職は休息時間廃止の理由に(1)他の多くの自治体で廃止している、(2)民間には例がない、を上げている。これらはあくまで外的要因でしかなく、主体的な理由としては不十分である。これまで休息時間を実施してきた総括を開陳すると同時に廃止する内的要因を明らかにすること。

⇒ 休息時間はそもそも国の制度に準拠したもの。参議院中質疑の中で批判があり06年7月1日で廃止になった。都で問題があったとは言えないが、存立基盤を失った制度は廃止せざるをえない。

2 貴職は休息時間廃止に伴い、「常識的な範囲における小休止」については許容していることを認めた。しかしその範囲が暖昧である。特に提案交渉において勤労課長は喫煙に関しては「別問題である」とした。敷地内禁煙を実施している市区町村も存在していることを鑑み、喫煙も小休止の範囲内であることを認めること。小休止は生理的欲求であり、その制限は人種間題である。小休止の取得に対して管理職に周知徹底すること。

⇒ 都労連との交渉でも喫煙は小休止の一つであると例示されている。ただし勤務場所を離れないことが条件。敷地内禁煙や建物内禁煙などは市区町村によって違うが、職場の実情に応じて、状況によってどこまで認めるかだ。分煙の問題は地教委に言ってもらいたい。

3 文科省の調査においても、学校現場で休憩時間が確保されていない実態が明らかにされているが、まずは休憩時間完全確保の方策を明らかにすること。

⇒ 文科省の調査結果は認識している。適正な管理を行っていきたい。

4 新宿本庁舎に勤務する職員のみ休憩時間を60分とした根拠を明らかにすること。

⇒ 高層ビルの特殊性で、エレベーターの昇降に時間がかかるからだ。

5 以上の点に関して納得のいく回答がなされるまで、今回の見直しを行わないこと。

⇒ 7月4日までに回答されたい。

 

 組合は(1)そもそも休息時間は戦後の労働法制の整備の中で労働時間の適正な運用を行い、労働者を保護するものとして民間に先行して官公労で定め、民間に広げていくことを目指したものだ。世界的な時短の流れの中で廃止は問題だ、(2)健康増進法の過度の適用で禁煙を強制することは人権間題だ。少なくとも分煙を認め、都庁舎内と同様にすべきであり、地教委に指導せよ・休憩時間の完全確保の具体的方策が明らかにされていない。連続8時間勤務が法違反なのは明らかであり、問題だ、と主張した。

 7月4日の回答では「休憩時間の完全確保の具体的方策を明らかにしないままで休息時間のみを廃止することには同意できない」として妥結を拒否した。形の上では都教委が強行することとなったが、容認される「常識的な範囲における小休止」にはトイレ、お茶、喫煙、連続したVDT労働の間の小休止などが上げられているので、実態的に「取得」していくことで労働環境を保持していくしかなくなった。管理職から「小休止」について不当な圧力があっても「認められている」と反論することは可能だ。

 都・都教委による国追随の休息時間廃止は、500名もの欠員と区市町村貴職員の削減、時間外手当の削減、労働強化の中でトータルに強行されるものであり、学校事務職員として断じて容認できるものではない。私たちはこれらの問題に対峙していくことでしか解決の道はないと考えている。

地方公聴会は居酒屋談義以下

福島県学校事務労働組合

 教育再生会議の居酒屋談議を受け、急遽まとめた教育三法案。参議院の委員会審議には地方公聴会が必要とかで、当地での6月12日開催が決まった。「公聴会は形式」とは言われているが、問題山積みの教育三法なので大いに議論されるだろうと、何とか傍聴券を入手し、聞きに行った。

 開催時間前に会場に着くと、抗議行動をしていたのは福島県百万人署名の皆さんだけ。

 戦争への道を開く教育改悪に反対し、形式的公聴会で教育三法を成立させようとすることに断固として抗議すると、門番の参議院職員に文書を手渡す。

 さて、会場はホテルの大きなホールだが、傍聴席は僅か40席、その後ろ三分の一は何も無い空白スペース。壮大な無駄を見せつけられ、予算削減で、やりくりに四苦八苦の日常を考えると腹が立つ。公聴会が始っても傍聴人席の半分20人余り、マスコミより少ない。一番数が多かったのは参議院の職員だろう。

 公述人は3人。元教育長、塾経営者、元教員。そのうち元教育長さんは文科省提案の3法に賛成意見を述べた。でもこの方は元中教審委員なのである。それも文科省に批判的だったことはなかった人で、そんな方を陳述人にするのは地方の意見を聞くという公聴会の形式でも反則じやないか。

 元塾経営者さんは「民主党法案賛成」の立場で公述したが、誰もその法案を読んでないし、本人も「分厚い資料を読むのが大変でした。」との言い訳には失笑。最後の方は元教員らしく、昔の教員時代の「朝からがんばった」苦労話と臨時教員の労働条件改善の発言には、居並ぶ参議院議員5人がしきりに頷く。おいおい、今そんな話に頷いてどうする。さらに驚くことに、公明党の議員の質問は「最近の子供の変容を教えてください。」法案審議の終盤にそれを聞いてどうしようというのか。

 やはり、参議院地方公聴会は「形式」だった、いやそれ以下で、教育再生会議の居酒屋談議がここでもやられていただけだ。こんな議論と形式で、子供や職員にとって学校がさらに居心地が悪くなり、そして学校を「戦争ができる国民」作成装置にすることは絶対に許せない。教育改悪への歯止めを現場であらゆる手法を使って抵抗していこう。

 

 なお、福島県小中学校の臨時教員(欠員補充や育児業代替の一年未満雇用の教員)の労働条件について付言する。(公述人が言っていたので)

 福島県の臨時教員の職名は免許に関らず全て講師で、賃金は小中教育職1級のみ。県内小中学校で講師は1,585人、全教員の12%にも及ぶ。(数字は文科省学校基本調査2006年度版)06年4月初任給規則変更で賃金上限規制の根拠が無くなったのに、福島県教委は「財政」を理由に賃金上限をそのままにした。どんなに経験を積んでも1級63号(261,800円)以上にはならない。臨時学校事務職員の貸金はさらに残酷で、上限が186,800円なのである。

シリーズ共同実施

管理職気取りで威張る事務長

 昨年度の試行期間は、結構楽しい集まりだった。前の責任者(=事務長)は「どうせ共同実施をやるなら楽しい共同実施を」と言って、皆(5校5人)で週に1度、水曜日の午前2時間実施することを話し合いで決めた(例月給与審査と定例研修がある週は共同案施を行わないので実像は月2回)。私(主幹事務長代理)は何事も事前に相談を受けた。学期ごとに会食をしたり、休憩時間には持ち寄ったお茶菓子を頂きながらの雑談が楽しかった。それでも中心校に出かける日は持ち物の準備・帰校後持ち出した書類の整理・往復の移動時間のロスタイムなどで忙しく感じたものだ。

 ところが、今年度は他のグループが週2回を週1回に減らしている中で、異動してきた事務長が「原則週2回、火・木に行う」と独断で決め、さらに事務長は分担業務からはずれて、書類審査のやり方も「担当が見た後、代理(私のこと)が見て押印すること!」と命令的口調で言う。ビリビリしている。全て相談や話し合いではなく命令してくる。仕事は押しつけで責任者は何の実務もやらないで資料らしき物を見ていたり、職員室に引っ込んだりしている。そのため事務長は解散間際に、書類を見ずして押印する。こんなことで良いのか。これなら学校長が押印していたのと同じであると思う。

 昨年度までは互審していたのに、今年度は担当者と私は全校分の書類審査をしなければならない。時間がかかって効率的とは言えない。責任者の事務長に気配りは感じられない。自分よりも年下の事務長に名前ではなく「代理、代理」と呼ばれ、管理職気取りで威張られ、共同実施の場は私にとって、ストレスの源と化した。そのせいで病気になったら誰が責任取ってくれるのか?

 月末は臨時職員7人の賃金・報酬の書類作成や部活動等報告の確認・入力などに時間がかかるので、週2回の共同実施は非常に厳しい。教員の多忙化解消のためとか言うけれど、事務職員の多忙かはどう解消してくれるのか?憤りを感じる今日この頃である。

カンパのご協力ありがとうございました。
まだまだ受付中。よろしくお願いします。

 景気はよくなっているのか?まだまだ家計は厳しい状況は続きますが、全学労連カンパにご協力下さい。これからも全国の学校職員を取り巻く問題に全学労連は全力で取り組みます。


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