2009年1月10日

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全学労連ニュース今号の内容

 11.28 全学労連中央行動報告

 あまりにも旅費が足らなくて

 議長 菅原 かみぶろぐ

 

11.28 全学労連中央行動報告

文科省前、デモ先頭の横断幕

文科省前、デモ先頭の横断幕

 全学労連は11月28日、定数改善、学校事務の共同実施反対で中央行動を行なった。10時からは三省・地方団体要請行動、13時から衆参両国会議員文教委員への要請行動、14時からは全学労組と共催で全国総決起集会を行ない、集会後デモ行進した。

三省、地方団体要請行動

 要請行動は文部科学省、財務省、総務省、地方団体は全国都道府県教育委員会連合会、全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国町村会などで要請内容は以下の6項目。

  1. 義務教育費国庫負担金給与費の国負担率を1/2へ復元すること。
  2. 学級数等客観的な基準による学校事務職員定数の抜本的改善をはかること。
  3. 大量の欠員を生じさせないこと。
  4. 非正規職員の労働条件を改善すること
  5. 学校事務職員を学校から引き剥がすことにつながる「学校事務の共同実施」を推進しないこと。
  6. 教職員の階層化に反対すること。

 財務省での折衝では今回の文科省の概算要求の内容を“鼻で笑っている様子”をうかがえた。文科省・総務省には全学労連学校行革対策部の学校職員定数割れ状況を示すデータを提示し、加配による定数改善が学校現場に非正規労働者の増加を生み出している状況や、秋田県の共同実施が生み出す非常勤化が進む学校事務職員制度の現状を訴えた。また、地方団体からは全学労連の要請に対して「文部科学省は定数などの実態を明らかにしていない。総額裁量制はグレーだ。」という声が聞かれた。

議員への要請行動

 衆議院議員40名、参議院議員20名の文教科学委員会所属国会議員へも各省と同様の要請書をもとに、手分けをして要請行動を行なった。議員の中には、直接面談を受け全学労連の要請内容に耳を傾け理解を示す方もいた。

全学労組との初の共催で総決起集会

参議院議員会館内会議室は満員

参議院議員会館内会議室は満員

 全国総決起集会は“学校の「民営化」反対!格差社会反対!学校事務の共同実施反対!”をスローガンに掲げ、全学労組(全国学校労働者組合連絡会)との初の共催で、参議院議員会館内の会議室で、椅子が不足するほどの参加者を迎え、盛大に行なわれた。

 集会の冒頭、全学労連菅原議長は「労働者を『人的資源』と言う新自由主義、市場原理主義に立ち向かっていこう。特に、非正規労働者問題に対する取り組みを強化していこう」と述べた。また、全学労組の増田代表は、「全学労組は19の労働組合で組織し、全国展開している。今後も全学労連との共闘を継続していく」と力強く述べた。

国会議事堂を背景にデモ行進

国会議事堂を背景にデモ行進

 集会は各団体の決意表明を中心に展開された。アイム‘89、北学労、横校労、沖学労、静岡学労、がくろう神奈川、大阪教育合同、青学労、千葉学校合同、学校事務ユニオン東京などから報告があった。全学労組は裁判に取り組んでいる組合が多いため、特に熱い報告となった。また全国一般神奈川などからも連帯の挨拶をいただいた。

新橋駅へ、車道は夕方ラッシュだ

新橋駅へ、車道は夕方ラッシュだ

 その後、集会宣言採択、団結ガンバローを行ない、デモ行進に移る。デモ出発地点の社会文化会館前では100名を超える参加者となっていた。国会議事堂の議員面会所で社民党保坂展人議員へ請願を行ない、議員から激励を受けた。コースは文部科学省前から外堀通りを、新橋駅、有楽町駅へと抜ける長丁場。沿道の通行人も耳を傾けてくれている。参加者は終始、元気一杯のシュプレヒコールを東京の空に響かせた。

11.28全学労連・全学労組中央行動総決起集会アピール(より抜粋)

 本日ここに、全学労連・全学労組の両者が出会い、学校現場で働く者の思いを共有し、総決起の集いを獲得できたことをともに喜びたい。それは30余年にわたる学校を職域とする独立系労働運動の歴史にとって、きわめて大きな意義をもつに違いない。

 本日以降、私たちはさらにこの絆を強くし、運動の相互交流を推し進めていこう。職種の違いを互いに尊重し、互いの異なる部分を、それぞれの鏡として自身の位置を一層深く理解する、それが職域を同じくする私たちの連帯の、最大のテーマであり同時に強みともなるだろう。

 さらに私たち両者は、日教組が刻んだ轍を再び踏まない。国民教育論に依拠し、その末路として文科省のパートナーと堕した組織といちはやく訣別し歩んできた私たちなのだから。私たちが必要としているのは、見せかけの数でも空虚な団結のかけ声でもない。末端の現場でいやなものはいやと言い、不当なものは不当とし、その因って来たる要因を突き止め、打ち破る、そうすることによって労働者としての誇りをもった生き方を模索する労働運動である。(〜中略〜)

 本日ここに結集した全学労連と全学労組の多くの仲間たち、そして駆けつけてくれた心強い支援の仲間たち、そして全国の現場で苦闘する仲間たちとともに、私たちは、本集いで獲得された現時点での闘いの水位を明確に見定め、現場での連帯はもちろんのこと、今後長きにわたって闘いの随所で、ともに熱い連帯を築いていくことをここに強く宣言する。

2008年11月28日

全学労連・全学労組全国総決起集会参加者一同

 

あまりにも旅費が足らなくて

沖縄学校事務労働組合 濱川幸夫

 私の勤務校は、児童29人、職員10人(県費負担8人)の小学校だ。運動場沿いの堤防から身を乗り出せば、外海の波をリーフがいさめた穏やかな海面が見渡せる。

 4月に私と一緒に転勤してきた新任校長も穏やかな性格の人で、毎朝のあいさつを気分良く交わすことのできる良い人だ。とても恵まれた働きやすい環境だ。

・・旅費年間1万5千円・・

 しかし、ひとつ問題があった。学校に配分される旅費が少なすぎることだ。1万5千円、これで1年分だ。赴任旅費や校長研修会など、教育事務所や義務教育課が旅費を負担するものは含まない。

 校長の裁量で旅行命令できる限度額が1万5千円ということだ。

 昨年の帳簿を見ると、校外学習等の児童引率で4割、エイズ教育研修、養護教諭研修会等職員の研修や関係団体会合参加分で5割、残りの1割を公立学校共済組合の説明会で事務職員がつかっていた。もちろん、それで旅費が足りていたわけではない。

 前任の事務職員は、昨年度旅費受領に金融機関へ、予算執行の端末入力のため村教委へ出向くこと少なくとも100回は出掛けていた。これ全部、旅費の支払いがなされていない。旅行命令そのものが行なわれていないのだ。金額にして約4万2千円分にもなる。

 そこで年度当初に私は、校長に一年間に必要な旅費総額を職種ごとに提示し、旅費がまったく足らないことを伝えた。旅費の裏付けなしに校長は旅行命令を職員に発することができないことを強調した上で、もし旅費が底をつけば、給与、旅費の受領、予算執行事務が行えなくなることを理解してもらった。

・・校長のクルマに乗せられて・・

 それから半年で1万5千円を使い切った。校長に「これからどうします?」と聞くと、教育事務所と相談すると返事があった。

 数日後、教育事務所職員が3人来校し、校長と話し合っていた。その後、校長は「私の車であなたを用務先へ乗せていくことにします」と私に伝えた。

 なるほど、旅行命令は出すが、他者の自動車に便乗するので旅費の支払いはないという絶妙な落としどころだ。私を連れて行く校長自身の旅費がどうなるのかは、突き詰めて聞くことはしないでおこう。

・・やる気があれば旅費がなくても・・

 旅費が足らないのは、私の勤務校だけではない。同じ地区の多くの学校では、適切な学校運営が行えないほど旅費が不足している。それを事務職員をはじめとする職員の自己犠牲で補っているだけだ。 教育課程研究集会、生徒指導連絡協議会など、校務分掌に位置付けられた役割を果たすために参加が不可欠なものにさえ旅費が支給されない。

 私は、数年前にも教育事務所の旅費担当者に「学校運営に支障が出るほど旅費が足りない。追加で割当てしてもらえないか」と校長に伝えてもらったことがある。担当から私に直接こう返事があった。

 「旅費の追加はできない。旅費がなくて旅行命令ができないのであれば、職専免で行けばよい。やる気のある教員なら、重要な会議や研修会に旅費なしででも参加するでしょう」

 問題点が、職員のやる気の軽重にすり替えられてしまっている。

・・修学旅行引率教員に旅行命令なし・・

 教員が児童生徒を引率する出張でさえ旅行命令がされていない。沖縄の公立小中学校では、修学旅行を引率する教員は、児童生徒25人に1人(管理者、養護教諭は別枠)という基準がある。児童生徒数が少なければ、たとえ学級担任であっても旅費がないこともある。特別支援学級の児童生徒が修学旅行に参加する場合でも特例はない。

 それでも校長は、基準より多くの教員を引率させている。教員らがそうすることを望むからだ。足りない旅費は、いったんプールし実際に引率した教員数で割って支給するか(毎年修学旅行の引率をしなければならない養護教諭にとっては、旅費が目減りする分迷惑なことだろう)、寄付金を財源とする裏会計やPTA会計、部育成会会計から出し負担を保護者に転嫁しているようだ。

 私は、旅行命令が発令されていないまま引率している教員の服務の扱いがとても気になる。好きでやっている教員はともかく、児童生徒にとって服務の扱いがあやふやな教員に引率されるのは、危険なことだ。

・・めんどくささを楽しんでみる・・

 旅費不足が、いかに学校運営に支障をきたすものなのかを校長や教員、教育行政は、これまで体感していなかった。そこに“空気”が読めない私が、旅費がなければどこにも行けないと当たり前のことを言ったことで、「こいつはメンドクサイな」と“空気”に敏感な校長や教育事務所がコトの重さを感じ始めたところだ。

 私も、校長のスケジュールを事前に確認しなければならなくなって少々メンドクサイ。

 でも、日本中に一人くらい年に50回校長とふたりっきりでドライブをする事務職員がいてもいいじゃないか。

 

議長 菅原 かみぶろぐ

 職場近くの川に、二羽の鵜が住み着いています。一羽は黒くて大きく、元気に川の中を泳いでいます。(えさのボラが川を埋めるぐらい豊富です。)もう一羽は−回り小さく、いつも川縁で佇んでいます。近所の方によれば、どうやら番(つがい)で、小さいメスが羽を痛め、それ以来そこを離れずにいるそうです。いい話です。

 仕事で近所を通るたびに、鵜の様子を見るのですが、住処の川岸は白く汚れています。時より泳ぐ鵜の後ろに、パッと白いものが広がります。それを見て、自分の「血液検査の一喜一憂」に繋がりました。

 実は鵜の尻から白いものは、いわば尿なのです。人の尿は液体ですが、鳥は固体で出します。それは尿酸です。一度通風になった小生に、「尿酸」は身近なのです。(これが血液検査つながり)

 さて、動物は体で出来る老廃物(窒素化合物)を排泄しなければなりません。

 魚はアンモニア(NH3)で出します。アンモニアは毒ですが、いつも水中生活の魚は大丈夫なのでしょう。陸上動物はそうはいきません。毒性の無いものにしてから排泄します。哺乳類は、尿素(CH4N2O)にします。これは水溶性の物質なので、排泄するために大量の水を必要とします。鳥類と爬虫類は、尿酸(C5H4N403)に変えて排泄します。これは濃縮することができる非水溶性のものです。つまり尿を固体にしているのです。

 哺乳類類より鳥類の方が、排泄には都合がいいと思えてなりません。進化って不思議ですね。

 昨日の血液検査は、Dがちらほら、その時だけは「節制」を誓うのですが。

 
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