2009年10月31日

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全学労連ニュース今号の内容

 文科省賃金改善要求書提出−非正規雇用学校労働者の労働条件の改善を求める−

 義教金[限度額表]に見る事務職員の昇格モデルー検証ー

 各県人事委員会勧告状況

 とうとう大阪市も「財務会計システム」稼動へ

 議長 菅原 かみブログ 091020

 

文科省賃金改善要求書提出

―非正規雇用学校労働者の労働条件の改善を求めるー

 全学労連は9月14日付けで下記の「学校事務職員の賃金改善に関する要望書」を提出した。

 今回から成果主義に基づく賃金制度中止の項目を新たに加えた。しかし、学校労働者の非正規雇用化が全国的な広がりを見せている中、要望のメインは、文科省によるその実態調査と、当事者責任の追及ということになるだろう。

 事前の折衝で1−(2)@A項目について、「調査の具体的な内容を提示してくれれば、1−(3)についての資料になる」という文科省担当者からの依頼があり、事前に「調査要求事項表」を提出することにした。地公法でも恒常的に臨時的任用者を置くことは許されていない。これ以上不安定な労働者を増やさないためにも定数の抜本的な改善が必要なことは必至だ。

 全学労連はこれらの要望をもとに11月6日文科省と交渉する。次号で新たな展開、進展を報告できる交渉になるよう期待したい。

 

義教金[限度額表]に見る事務職員の昇格モデルー検証ー

 義務教育費国庫負担制度に総額裁量制が導入されて以降、義教金を計算するために職種種ごとの経験年数別給料額一覧表が作られていることを知り、この一覧表は文科省が想定する昇格モデルであるとして、この昇格モデルを踏まえた賃金を支払うよう文科省に対して要求してきた。

 このような中で、この一覧表(別表第7)で計算した金額が都道府県に来るのかと思っていたが、大阪から「実支出額の方が少なければそちらが来る。そのため都道府県の「儲け」はない」という話を聞き、総額裁量でもそうなのか、と疑問に思い、法令にあたってみた(【別掲】参照)。

 国庫負担法等にあたってみると、やはり基本は「実支出額」で、その上限を計算するにあたっての給料単価を事務職員の場合は別表第7で示し、諸手当については文科大臣と財務大臣が協議して決めるということであった。そのため、大阪で言われているように「儲け」は総額裁量であってもないというように法令上は読める。

 限度額というとこれまで(総額裁量が入る前)は不交付団体に対する抑制措置という感覚でいたのだが.現行制度の下ではそういうわけでもなさそうだ。例えば、愛知県は現在不交付団体ではないが限度額規定が適用されており、限度額の網はもう少し広範囲に張り巡らされているように思える。

 そこで、国庫負担制度における限度額の考え方、それを踏まえた文科省が想定する学校事務職員の昇格モデルについて考察した。

 
詳しくはweb全学労連の資料を見ていただきたい。
 

 文科省が想定している昇格モデルはどんなものなのか、というのが当初の問題意識だった。

 給与構造改革以降、各県の昇格に際してのワタリ剥奪の動きは総務省の「指導」とあいまって広がりを見せ、何とかして歯止めを掛けたいと考えてきた。

 学校事務職員の給与については、旧文部省のいわゆる「’57年通達」により旧四等級(現在の5級に相当)格付けが行われるようになっており、ワタリ剥奪(ひどいところは2級止まりというのもある)は通達違反という主張をしてきた。「’57年通達」は古文書でもなんでもない。現行の義教金制度において計算するための職種ごとの経験年数別給料額一覧は「’57年通達」を今日的に表現したものに他ならないのである。

 とはいっても、現在の給与制度は給与構造改革以降、現給保障があることにより、経験年数別給料額一覧と俸給表を単純に照らし合わせるだけでは見えてこないという事情がある。そのため、総額裁量制が始まった当初の給与構造改革前の時点にさかのぼって考察する必要があった。当時の経験年数別給料額一覧はWEB上に残っているものはなく、いくつかの県教委の実務担当者に制度のレクチャーも含めて資料収集をしなければならなかった。もっとも、そのおかげで「2」で記述したことが見えてきたし、経験年数別給料額一覧を「限度額表」ということも分かった。

 「限度額表」は、次のような昇格モデルを文科省が想定していることを示している。

 すなわち、18歳採用で[1−5]格付け、その後25歳で2級昇格、31歳で3級昇格、38歳で8号昇給、44歳で4級昇格、49歳で5級昇格、55歳で6級昇格となっている。この昇格モデルに基づいて計算した金額を限度額として、各自治体は国庫負担金を受けているのである。

 このことを押さえて、全学労連は今後も学校事務職員の給与制度の改善に向けて文科省、各自治体への要求を進めていきたいと考えている。

 

各県人事委員会勧告状況

全国の09人事委員会勧告

 

とうとう大阪市も「財務会計システム」稼動へ

 とうとう、大阪市も事務のほとんどをパソコンで処理するようになりそうだ。

 いままでは、「学校財務会計システム」といっても、メールに添付ファイルでついてきた文書をプリントアウトし、文書処理をするとか、「カタログ物品」といって、学校で必要な文具などの消耗品や帳票類を月ごと、学期ごとなど決められた期間に注文するとか、あとは、校費、旅費の予算差引簿の印刷と徴収金の出納簿類を印刷し、学校で確認・保存をする程度のものであった。それが今回、さらに拡充され、校費や徴収金、就学援助費、旅費などの帳票を、学校側からパソコンへ直接入力し、送信することにより、今までの事務センターでの処理などを省略するらしい。システム構築側は、「今まで一ヶ月かかっていた予算差引簿などがリアルタイムになり、便利になります」と謳っているが、なんてことはない、事務センターで委託していたような業務を学校現場に押し付けた形である。

 しかし、今回危惧するのは、単にパソコン業務の増大という面からだけではない。

 たとえば、生徒情報システムという新たな分野ができた。小学一年生については、住民基本台帳から児童名を一括登録されるのがメリットらしいが、それを学校側が児童生徒名を削除したり、追加したりし、就学者名簿と一致させ、常に最新の状態で保つ。そして、これらのデータは徴収金や就学援助システムでも活用するらしい。個人情報等のセキュリティーは大丈夫かと疑問が残る。そして、その「最新の状態に保つ」のは一体誰なのか?と問いたい。

 大阪市の場合、中学校と小学校では事務室の校務分掌が違うが、とくに小学校ではこのような学事の仕事は教務の分担である。学校によって担当が違うこの仕事を、研修では淡々と事務職員に操作説明した。だって、徴収金や就学援助費に波及する大事な部分なんだもん。当たり前でしょ、という感じである。ちょっと待て!と言いたい。

 各学校で今まで各担当部署が分けあいながらしてきた仕事を、今回「学校財務会計システム」パソコンから入力するようなやり方にしたために、なんでも事務職員に押し付けてこられそうな雰囲気なのである。まったく、教員の負担軽減の風潮と相まって、校務分掌のあり方が一方的に押しつけられはしないか?と不安でいっぱいである。

 大阪市は市費財源の学校事務職員を引き上げにかかっている。予定では、今年度限りで各中学校の定員が1名削減されるというのに、これでは業務量が逆に増える一方ではないか?!

 今回の操作研修は事務職員については校務全般にわたり5半日もあるが、これは単なる手法の変更ではなく、我々事務職員が今まで培ってきた「学校事務」というものの考え方を無理やり変えさせられることにつながっている。

 

追伸・・・余談ですが、私が研修に行った日のこと。となりの席の50歳代風の女性は、分厚い手引書にインデックスをつけてあり、研修中は、パソコン操作をしながら、手引書にマーカー印をつけたりと、真剣でした。逆に、反対に座っていた若い男女二人は、居眠りしながら、手引書を開けもせず、器用にパソコン操作してました。(居眠りしながらでも若者はついていけるのです・・・)なんかムカつきながら、操作研修に集中できなかった自分が一番情けないんですが・・・

 

議長 菅原 かみブログ 091020

漸く新築校舎が出来上がり、引越しました。

8億

 入札

  公共事業

   アスクルより安く

給食費をダダに

 給食費の未納が多い学校に市教委が調査に来ました。本校はもちろん対象です。給食費年間総額は4000万円以上の金額で、その内未納は20万円程度です。他の学校に比べれば多いそうですが、その割合はなんと0.5%に過ぎません。市税や国保料の未納に比較すれば格別の納入率です。

 調査に来た市教委の職員に「納入率に胸を張ろう。他の部局に比べればはるかに凄い。」と、助言しておきました。

 さて、民主党政権は「子ども手当て」配ります。再来年は毎月26000円だそうです。給食費よりはるかに多い、いろいろ小中学校で集金する金額より多く、年額ではさまざまな教材費や遠足代を賄えるし、制服も買えます。

 そこで、義務教育でも何かとかかる「教育費」を本気でタグにするための方法はないか、ということです。

 最初は給食費を無料にしてしまうことです。(もちろん給食を食べない子や不登校の子にはその分は返します。)その上で、「教育に必要だ。」として学校で集めるお金を無くす。それこそ本気の「義務教育の無料化」です。それがここ数年でできるかもしれません。

 学校事務職員は、毎日の仕事をする中で、「何でこんなに親から金を取らなきゃ義務教育ができないんだ。」を考えていたと思います。「そもそも教育に必要なら公費で出すぺきだろう。」「必要以上に集めているんじゃないか。」など。

 今回の「子ども手当て」は、「義務教育の保護者負担」を見直すための、いいきっかけになるかもしれません。

 その第一歩に「給食費をダダ」を言っても良いのではないでしょうか。


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