2010年7月3日

top> ニュース> 330号

全学労連ニュース今号の内容

 5.14 全学労連 中央行動報告

 その時の口調は厳しかった―井上ひさしさんを悼む

 なくそう!官製ワーキングプア 5月30日 第2回反貧困集会に参加して

 みんな 全交流・群馬 に行こうよ!! 〜下見に行ってきました〜

 

5.14 全学労連 中央行動報告

 5月14日、全学労連は文科省に要望書を提出するとともに、総務省や財務省、さらには地方団体等に要請行動を行った。以下、そのときの様子を報告する。

文科省

 文科省の窓口は新担当になっていた。新担当者は「(申し入れや要求書は)現場の声を聞くいい機会だと考えている」と好感触であった。7月の交渉に向けて細かな回答を得るために折衝した。

 教員免許更新制や主幹制度については新政権後の動き。教育課程を含めた労働環境の整備や神奈川での不起立職員に関する行き過ぎた氏名収集を中止すること。さらには特別支援教育体制の見直しなどを求めた。

 文科省担当者は「各項目の担当箇所へ伝え、当日回答する」とした。その他、次年度予算の見通しについては「(新政権後初なので)例年通りのスケジュールが見えていない。概算要求の締め切りは法律で8月末となっているので、そこは変わらないと思う」と語った。

総務省

総) (国庫負担問題)1/2か1/3かというより、確実に予算化されているかが大事なのでは?1/3だからバラつきがでるとは思えない。

全) 一般財源が増えると自由度が増す、反面、定数が守られていない。

総) なぜ東京はこんなに少ないのか?

全) 東京は準要加配が守られていない(総額裁量制で違うところに行ってる)。国庫負担が1/3になって地方は苦しくなっている。本来必要な加配も守られていない。加配は臨時採用ばかりになる

総) 1/2の主張はよくわかる。違う方法で何かできないか・・・。1/2か1/3かという話には総務省としては回答しにくい。

総) 一括交付金については困ることがある。文科省の立場からすると、一般財源化された財源を教育一括交付金に集めてくる可能性がる。交付税の総額が増えればいいのだが、交付金が減ると過疎地に負担が行くのは気になっている。

全) (定数について)地方の裁量によって定数法が空洞化されている。

総) どうしたらいいのか。

全) 実態を調べるべきだ、役所では定数内の職員を臨時では採らないはずだ。

総) 調査は難しい、総務省が調査をすると文科省からクレームがくる可能性がある。加配が始まった理由は?

全) 定数改善の手段として加配が始まった。

 担当者が変わり、学校の実態を理解してないため説明することが多かった。

全国知事会

全) 文科省の政策ではあるが、私達は都道府県費職員であり、知人の力が必要である

知) 知事会としても要望はしている。7月の知事会で今年の要望が決まる。

全) (定数充足率資料を提示して)事務職員が定数を下回っているのに対して教員が多い  (などの総額裁量制の問題を指摘)。

知) 各都道府県の問題がある・・・。加配の基準がよく分からない。同じ要求でも付く県と付かない県がある。

全) こちらもよく分からない、文科省のさじ加減ではないか?

知) 昨年も国に対して教職員定数の改善を要求している。

全) 国と地方との協議の場で国に働きかけることは出来ないか。

知) 地方6団体すべてが知事会と同じ考え知は限らない。難しいと思う。一括交付金についてはいま勉強中である

全) 私達の提案は各県知事に伝えてもらえるのか?

知) 各県からあがってきたものをとりまとめることはあるが、知事会から各県という流れは例がない。

 全国知事会には文教委員会(?)というものがあるらしく、そちらへの要請なども考えられるのではないか。

全国都道府県教育委員会連合会

 給与費について「財源保障のあり方など県によってまちまちである。連合会としての具体的な方針は示せない。」と語った。

 “教育一括交付金”については「教育関係費のみに限定した交付金でないと、各県で自由に使われてしまう。」と一定程度の理解を示していた。

 全学労連からは学校事務職員の定数充足資料を提示し、東京中央区での派遣のことや、就学援助加配の未配当の現実などを説明した。

   

 各省、団体への要請の後、衆参両文教関係議員への要請行動を行った。参加メンバーで議員会館内を手分けして議員事務所を回り、要請書を渡し要請趣旨を説明する。ほとんどの事務所は秘書が対応する。それでもじっくり話を聞いてくれるところもある。一人だけ民主党の議員本人と話す機会があった。「時間が取れたので・・・」と事務所に招き入れてくれる。事前に要請内容を伝えてからの行動だったが、熱心にこちらの説明を聞いてくれた。臨時的任用や非常勤職員の増加など学校が抱えている問題を説明すると、「何となくは分かっていたが、実際に生の声を聞くと切実な問題ですね」と同調してくれた。

 7月、文科省と交渉する。私たち全学労連は、全国の学校事務職員、さらには学校が抱える様々な問題に全力で取り組みます。

 

その時の口調は厳しかった―井上ひさしさんを悼む

池上 仁(がくろう神奈川)

 作家の井上ひさしさんが亡くなった。歳のせいか(私、現在再任用2年目)、長らく親しんできた(専らその作品を通じて、ということですが)人々が相次いでいなくなってしまうな、という寂しさを感じることがめっきり多くなった。新聞の訃報を見れば、概ね平均寿命の年齢には達しているから、仕方のないこと、と思うしかない。井上さんの場合は75歳だから、ちょっと早すぎるけど、早世ということではない。ただ、井上さんが癌に冒されていたことを知らず、旺盛な執筆活動を続けているとばかり思っていたので、あまりにも唐突な死としか受け止められなかった。

 近年は「九条の会」の呼びかけ人として、改憲阻止のために尽力されていた。なぜか、大江健三郎さん他の呼びかけ人の方々の講演は何度か聴く機会があったのに、井上さんのお話は、短い挨拶を除いては伺う機会がなかったようだ。しかし、身近で井上さんが語るのを聴く機会に一度遭遇したことがある。「九条の会」が発足し、各地の講演会で聴衆が溢れ、地域で「九条の会」が雨後の筍のようにできていた頃のこと。地元神奈川県でも県レベルの「九条の会」を作ろうという動きになり、そのための会議の場でのことだった。長らく反改憲運動を続けてきた人々が多くを占め、議論を先導する。そこにいわば運動上の慣れた手つきとでも言えるような雰囲気があった。会の作り方をめぐって、会員制を取ろうかどうか、という議論になったとき、すぐ近くの席で立ちあがって、「ピラミッド型の組織をつくるのは良くない、いざ弾圧される状況になったら、あっという間にやられる。草の根の庶民があっちこっちで小さな会を作り、好き勝手にやるのがいい、そういう運動を権力は潰せない」と発言された方がいた。それが井上さんだった。今にして思えば、ネットワーク状の運動の提言、ということになるが、その時は思いを込めた厳しい口調に、「ああ、井上さんはこういう話し方をすることがあるんだ」と感じ入ったものだった。

 数年前、勤務先の小学校で図書委員会の児童が教職員に「好きな本、この一冊」のインタビューを行い、それを掲示物にして廊下に貼り出すという活動をやった。私は井上さんの「父と暮せば」を選んだ。小学生でも高学年なら十分読めると思ったから。好きな理由を問われてこんな風に答えた。「原爆で偶然生き残った娘さんが、自分だけ生き残ったことが申し訳ない、自分は幸せになってはいけないんだと思っている。そこに原爆で死んだお父さんの幽霊が現われて、そうじゃないよ、お前が幸せになることが死んでしまった人々のためなんだ、と言って娘さんを恋人の方にそっと押しやるんだね。涙が出そうな物語だけど、愉快な場面もたくさんある。それで余計悲しくもなってしまうんだけどね。お父さんを『おとったん』という広島弁の楽しさも味わってほしいな・・・」

 私には気に入った作家が見つかると手に入る限りの作品をかき集めて集中的に読む、という習癖がある。井上さんもその一人で、一時期は本棚2段分ぐらいの単行本・文庫本を手に入れて読みふけった。戯曲、小説、エッセイどれも実に楽しかったし多くのことを教わった。特に印象に残っているのはすべて書簡という体裁で書かれた小説や、日本語をめぐるエッセイ。なかんずく、「吉里吉里人」には圧倒されて、3遍は読み返した。今でも戦争を避けるための「医療立国」というアイデアは真剣な検討に値すると思っている。東北弁の豊かさを笑いをかみ殺しつつ堪能した。所々で顔を出すグロテスクな印象は他の作品にも見受けられる、井上ワールドの不可欠な要素なのだろう。そして、豊富な文献の読み込みに裏打ちされた本格的な議論。何かのエッセイで、一つの作品に取り掛かるために段ボール数個分の資料を読み込むのだと書いていたが、納得する。

 6月19日には日比谷公会堂で井上さん追悼の「九条の会講演会」がある。小田実さん、加藤周一さんに続き井上さんを失った九条の会呼びかけ人の方々の息災を祈るや切。

 

なくそう!官製ワーキングプア

5月30日 第2回反貧困集会に参加して

 5月30日(日)御茶ノ水の総評会館において第2回目の「なくそう!官製ワーキングプア」集会が開催された。延べ200名を超える人々が参加し、マスコミからの注目度も高い。

 学校事務の現場においても正規職員の定数は改善されず、臨時職員や非常勤職員の割合が年々高まっている。なおかつそうした非正規職員の労働条件は劣悪な地区が多い。官製ワーキングプアとはまさに私たちの現場の問題なのだ!O区において学校事務非常勤職員は1日6時間月15日勤務で月収85500円。これで生活が成り立つはずがない。

●午前は3つの分科会

 午前は(1)有期雇用、解雇との闘い経験交流(2)賃金、手当、休暇などの改善の取り組み交流B業務委託、指定管理の現場での取り組みの経験交流 と3つの分科会が設定された。(1)の分科会では、新潟、東京、福岡、京都、沖縄における雇用年限との闘いが報告された。新潟では5ヶ月雇用、1ヶ月休みで5年の雇用年限があり、491名も5年上限を迎えるという。

 雇用年限に対する取り組みとしては(1)雇用年限が仮に5年だとしても、それまで待たずに、1年ごとの更新で雇用条件に対する闘いを組んでいく。(2)試験においても経験を加味させていく。という闘い方が提起された。雇用年限が終了して間を空けずに試験を課すところが出てきているが、必ずしも経験者が合格していない現状の打開策として経験の加味は重要だ。

●人事院規則の改悪を阻止しよう!

 午後は基調報告から始まり、自治体直接雇用と委託や指定管理などの自治体間接雇用の問題が現場から詳細に報告された。

 基調報告では、今年3月に出された人事院規則の改悪への反対運動を強化する提起があった。これは国の日々雇用非常勤に対して3年の雇用期限を制度化しようというものだ。現在でも雇用年限を導入している現場は多いが、今回制度化されてしまうと確実に3年で解雇されることになり、その影響は自治体にも波及する危険性が高い。国の非常勤(約15万人)自治体の臨時・非常勤(60万人を超える)を3年で使い捨て、失業に追い込むシステムとなることが予想されるだけに、改悪を阻止する運動を盛り上げようと提起された。国側は8月の国人勧に盛り込もうとしているため、残された時間は少ない。

●雇用年限・雇い止めとの闘い

 京都大学では時間雇用職員組合「ユニオン・エクスタシー」が5年の雇用年限解雇(非正規職員2,600名のうち1,300名が対象)に対して09年2月から無期限ストライキに入った。正門前でテントを張ったために大学当局は土地の明け渡しを求めてユニオンを相手取り、京都地裁に提訴した。その後大学の主張を全面的に認めて、ユニオンは敗訴した。「追い出されても座り込みだけはどこかで続けます」とユニオンは闘う姿勢を見せている。

●「任用」の壁をいかに打ち破るか

 公務労働の場合は「雇用」ではなく「任用」という概念が雇用継続に対する「厚い壁」として立ちふさがっている。民間であればたとえ有期雇用であったとしても過去の判例においては、更新が連続して行われていれば、次の雇用に対して「期待権」が発生していると解釈されている。しかし、「任用」では実質的な「解雇」に当たる場合でもそれは「雇い止め」としてしか認められていなかった。

 ところが06年の国立情報研の第一審判決と07年の中野区非常勤保育士解雇事件高裁判決の二つの判例がその流れを変えようとしている。

 03年「学術情報センター(国立情報学研究所の前身)」で非常勤職員10名が雇い止め解雇。04年勤続13年余の地位確認請求を中心として東京地裁に提訴。06年一審で地位確認請求を認める判決。「権利濫用ないし権限濫用の禁止に関する法理は、信義則の法理とともに、公法上の勤務関係においても適用の余地のある普遍的原理であり、特段の事情がある場合には、任命権者が非常勤職員に対する任用更新を拒否できなくなることがありうる」「本件非常勤職員に対する任用更新拒絶は著しく正義に反し社会的通念上是認しえない」とした。

 中野区の場合東京高裁は「公務労働者が民間労働者と比べて不利となることは不合理であるから反復継続して任命されてきた非常勤職員に関する公法上の任用関係においても、実質面に即応した法の整備が必要とされる」と指摘し、「継続雇用への期待権侵害」を初めて認定した。

 しかし、これ以降これらの判決が現実に生かされていない。私たちは不当な「雇用年限」「雇い止め解雇」に対して「任用」解釈を突破する判例をうまく利用しながら、闘いを進めなければならない。

●委託・指定管理などのアウトソーシングにおける公務労働の劣化に対する闘い

 保育園や図書館など市民生活に密着したサービスが直営から委託や指定管理などに置き換えられてきている。そこで働く労働者の労働劣化はすさまじい。しかしアウトソーシングされて市民サービスはむしろ低下し、指定管理を解除して直営に戻す自治体も出てきている。

 私たちはアウトソーシングされた先の労働者を保護する取り組みとして野田市の「公契約条例」を参考にできる。そこでは時給829円を最低基準に、それ以上の賃金支払いを受託業者に求め、違反の場合には委託契約解除もある厳しい内容となっている。しかし、入札制度により受託業者が変わってしまえば労働者の雇用安定にはつながらない。入札等によって受託業者が変わっても労働者の雇用を新たな事業者に引き継ぐことを義務付ける何らかの規制が必要であろう。

 直接・間接に関わらず、労働条件の改善と雇用の安定が非正規公務労働者に求められている。そうした点をアピールできた集会だった。最後に昨年に引き続き、印象に残った川柳を一句紹介する。

労働者に非らずか非正規・非常勤

JIM-UNION .学校事務ユニオン東京No.162より

 

みんな 全交流・群馬 に行こうよ!!

〜 下見に行ってきました 〜

 いつのころからだろうか?そうそう北海道で全交流があったときあたりからかもしれない。私たち埼玉学労協のメンバーは、ドライブツアー(観光)しつつ全交流に参加するようになった。

 北海道では、八戸から船で苫小牧へ入り、夕張・富良野・美瑛と周り現地に着いたが資料詰めに遅刻した・・・。このときは、3人だけだった。

 沖縄のときは、神奈川のメンバーが現地で車を用意してくれて、世界遺産のグスクやちゅら海水族館のあたりまでも連れて行ってくれた。

 福島のときは、数人だっただろうか・・・白川ラーメンを食べ、どこか秘湯日帰り温泉に入った。

 昨年弘前のときは東京と神奈川のメンバーも加わり、6人で白神山地と黄金崎不老ふ死温泉に寄って弘前に入った。

 

 年々、メンバーは増え、毎年恒例となっている。

 さあ今年はどうしよう。なんと埼玉の隣の群馬だ、わたらせ渓谷鉄道のトロッコに乗ろう。どこか秘湯に入りたいな。軽くハイキングも・・・。と思っていたらなんと参加者は、15人になってしまった。弘前や沖縄の下見は無理だけど、旅行がてら下見しようかなと家族と5月中旬一部を下見してきました。

 

 東武鉄道の相老駅でわたらせ渓谷鉄道に乗り換えた。切符を買っていなかったので、車内で精算しようとしたら、パチンパチンと穴をあけるあの切符だ(う〜ん。きっと20歳台の若いあなた・・・知らないでしょう)。レトロでいい雰囲気。すっかり気に入ってしまった。大間々駅から日に1往復しかないトロッコに乗る。指定券もあの硬い小さな切符だ。車内は窓のない、なんて開放的な空間。神戸駅に着く。全交流の会場の一番近い駅がここらしい。ホームに朝取りたけのこを売っている駅員さんがいて、重いのに思わず買ってしまった。

 神戸駅を出発するとトンネルに入るその時、乗客から「わ〜」と歓声があがる。なぜかは・・・お楽しみ・・・。全交流の会場はこのトンネルの外にあるらしいが、見えなかった。そして、その後足尾銅山を見学したのだった。

 後から知ったことだが、この「わたらせ渓谷鉄道」のこの線路も足尾銅山の輸送トロッコだったということ。なぜ「みどり市」としたのかも、全交流の案内文を読むとわかってきますね。

 翌日まだニッコウキスゲの咲いていない霧降高原に行ってみました。私ごとですが、それ以来膝を痛めてしまい、もしかして本番はハイキングできないかも・・・となってしまいました。

 

 なんだか、本当は全交流の中味で呼びかけるべきなのかもしれないのに・・・。でもきっかけは、なんでもいいと思う。楽しそうで、わくわくする運動ができるのが一番。いろいろな県の学労の仲間の闘いを学んで、また地元に帰ってきてやる気になればいいと思う。

 今年は、まだ会ったことは無いが1年目の神奈川の組合員も参加してくれるらしい。来てくれないかもしれないけど、同じ県内の別の組合に入っている学校事務職員を全交流に誘ってみた。今回予定している前泊予定の温泉には興味があるらしい。もう20年近く会っていなく年賀状のやりとりだけの群馬に住む学校事務職員の先輩も誘ってみようと思っている・・・。

 邪道だけど、全交流をきっかけに仲間を増やせればいいなあと思っている。

 みんな全交流・群馬にいこうよ!!

 

 そうそう埼玉のSさんは、2回も下見に行ったそうです・・・。

(埼玉学労協 ぬのかわ)

 
top> ニュース> 330号


無料 WEB-page スペースを利用しているため、広告が表示されますが、全学労連とは無関係です。



inserted by FC2 system