2011年4月17日

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全学労連ニュース今号の内容

 生き延びるために・・・全学労連アピール

 全学労連安否情報

 全学労連 福島カンパのお願い

 

生き延びるために・・・全学労連アピール

 東日本を大地震・津波が襲ってから1箇月が過ぎた。今なお止むことのない強い余震、そして原発事故による放射能汚染の拡がりに私たちは怯えている。これはまだ端緒にすぎないのではないかと。経済産業省の原子力安全・保安院は福島第1 原子力発電所の事故の評価を、国際基準に従って最悪の「レベル7」に引き上げることを決めた・・・1986 年に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故と同水準である。未曾有の犠牲・被害を強いられた被災現地の人々の悲しみ、怒り、不安はいかばかりだろう。2万8千人にも及ぶ死者・行方不明者を深く哀悼し、復興への槌音を響かせなくてはならない時期なのに、私たちはいまだ茫然自失の状態から抜け出せないでいる。

 

 3/11、露わになったのは自然の計り知れぬ脅威と、そして、この日本社会のあまりに脆弱な姿であった。過疎過密化の中で進行してきた「地方」の疲弊に乗じて作られた原子力発電所、「安全神話」の崩壊、それを糊塗する情報隠しと御用学者たちが並べ立てる「ウソ」、それを無批判に垂れ流し続けるマスコミ・・・これは、今回の事態を予測し警鐘を鳴らす声をせせら笑い、強権で押しつぶしながら地震列島に原発を林立させてきた大企業、政治家、官僚、「学者」の癒着によるやり口そのままではないか。これは決して原子力発電所の問題に限らない。彼らはすべての矛盾を弱い者に押しつけ、犠牲にすることによって貪欲に利潤をむさぼり、その分け前にあずかってきた。この日本社会を覆っている閉塞感はまさにこうした構造によってもたらされたものである。私たちは深い無力感にさいなまれる。このような社会のありようを変えたい、変えなければならないと考えて私たちは運動してきたのだから。

 

 私たちは、しかし、気を取り直しここから改めて「世直し」の運動に立ち上がろう。既存の社会が私たちの安心・安全をないがしろにしたものであることが否応なく明らかになったのだから。それ以外に私たちが生き延びる途はない。

2011 年4 月12 日

   

全学労連安否情報

 震災直後に、各自、各団体が安否確認や状況確認で得た情報の一部を掲載します。WEB は逐一更新されていますので、そちらもご覧ください。

3 月12 日 被災地数人宛

 大地震被災お見舞い申し上げます。皆さんご無事ですか?神奈川では臨時大会の 最中、15 階の会場で地震にあいました。こちらでも立っていられないほどの揺れでした。余震が続いています。くれぐれもお気をつけください。(神奈川 I)

3 月13 日

≪いわき S さん≫

 私は無事です。周りの家の瓦は落ちている。組合員の様子不明。断水は続いている。電気は大丈夫です。

≪福島 S さん≫

 なかなか電話が通じず、確認には至っていませんが大丈夫だと思います。Sさんの住むいわき市は、太平洋岸は津波の影響大です。道路通行止め多数、停電、断水。それより原発が・・・

≪青学労・T さん≫

 お気遣いありがとうございます。青森では、南部(八戸)方面には組合員がいないので、組合的には安心です。<中略>地震は勿論、原発の件、津波の件など菅原さんはじめ福事労のメンバーが大変心配です。皆さん無事だと良いのですが・・・<中略>福事労の中で被災された方がおられましたら、阪神淡路大震災の時のようにカンパをしたらいかがでしょうか。

3 月14 日

≪福事労 A さん(二本松)から≫

 お見舞いありがとうございます。福事労事務所は、ライフラインが回復しましたが、ガソリンが入手できず、職場へもいけない状況です。組合員の被災状況を確認中。太平洋側で津波、原発被災甚大です。

≪北学労 Iさんから≫

 北海道では、太平洋側の港で津波による冠水があったようですが、大きな被害はあり ませんでした。組合員にも避難や被害はなかったと思われます。地震直後、私の勤務校(高台にあります)が避難所になりました。土曜日の夜には津波注意報に変わって、避難所も閉鎖されました。  テレビを見ていて、被害の大きさに何も言えなくなってしまいます。<中略>組合として何か出来ればと思います。

3 月17 日

≪いわき S さん≫

 無事に避難してます。原発の実情が分からず不安です。  いわき市内では津波で大きい被害があり、海岸近くの組合員の家も1階が破壊されたと報告がありました。ガソリン不足が深刻です。脱出しようにも出来ないようです。今後は原発次第です。あまりいい結論にはなりそうにありません。なんとか生き延びましょう。  取り敢えず、福事労組合員は全員無事とのこと、せめても・・・です。

3 月18 日

≪福事労 A さん≫

 中通り会津地区の組合員は自宅や職場に被害がありますが、無事のようです。停電は解消しましたが断水は続いています。ガソリンがなく職場へも行けない状態。浜通りは被害甚大、震災、津波、原発で連絡が取れない組合員1 名。自宅が津波被災1 名。

≪続報≫

 原発近くの組合員と連絡取れ、無事避難。しかし、夫が東電社員、原発対応中。組合員は全員無事確認。

3 月19 日

≪いわき S さん≫

 応援の言葉をお願いします。双葉町の組合員は息子と二人で郡山に避難しましたが、配偶者が東京電力の社員で、今だに原発にいるそうです。私と電話をした際にも、心細いのに「ごめんなさい」の言葉がありました。まだ自宅にいる組合員。津波で家を離れざるを得ない組合員もいます。水道の復旧には相当な時間がかかりそうです。なにより原発がどうなるか。それによっては生活の全てを変えざるを得ません。生き延びましょう。

3 月24 日

≪いわき S さん≫

 今日も余震が続く。余り強くはないが、時よりガンとくる。

 放射能の具合はアメリカが飛ばした飛行機のデータが共同通信の配信で地方紙に掲載されていた。北西が濃い。我が家周辺は風向きの為かまだ低い。尚、アメリカはまだレムという単位を使っていた。この報道内容の詳しいデータが欲しい。用事があり近くの小学校に立ち寄った。古い校舎の損傷は激しく、至るところ「立ち入り禁止」の表示がある。 3 月の賃金は支給された。4 月も出るらしいが超勤や特勤は5 月になるという。

 ガソリンスタンド周辺の渋滞が激しい。何時間も並んでやっと2000 円分らしい。水道の修復予定では我が家周辺の水は4月22 日になるという。あと一月。土日は入浴と洗濯場所を探そう。また余震。今回は長い横揺れ。震度3。ではまた。

3 月24 日

≪いわき S さん≫

 昨日お願いしたアメリカの情報は連絡受け、確認しました。アメリカエne ルギー省です。やはり西部が厳しい。今日は余震は減ってきた感じはする。ただ今日は寒い。去年も今頃寒かった。いわき市も地震の被害より津波被害が多く、自宅を津波の被害を受けている組合員がいる。避難所で仕事をする組合員もいる。原発の地元の組合員は川崎市に行った。

 今日は学校で来年度に向けての仕事をしたが、ちょっとむなしい。今日学校の1、2年生の所在確認が進んだ。およそ半数が市外にいる。そのうち4割は県外。自宅被害は数人だから、やはり原発が影響しているようだ。原発の見通しがつかなければ学校も始まらない。

3 月31 日

≪いわき S さん≫

 仕事がらみで教育事務所と市教委に行った。事務所では人事担当次長と話す。人事異動凍結で退職者の補充ができず、小規模2校で事務職員を配置できないことを明らかにした。どうやら1学期は人事凍結らしい。市教育委員会の転出転入の窓口の外には沢山のパイプ椅子が並べてあった。転入転出がいかに多いのが分かる。転出入の担当者は就学援助も担当していて、よろしくと120 人分の就学援助認定資料を預けた。学校でも、今日も転出転入の生徒が来た。山口まで転出する一方、原発地元からの転入もあった。

 いわき市は入学式を6 日に行うことを市教育委員会が決定した。原発避難、津波被害の学校以外は6 日にやれという。職場は体育館が使えず、式は無し、生徒の確認だけになりそうだ。市教育委員会の役人と話すと、放射能が心配のクレームが多いという。水道が復旧しない学校には給水車を送ると言っている。大丈夫かな。我が家の水道が予定より早く本日復旧。先ほど10 日ぶりに入浴。近所には自衛隊の入浴施設があったが、結局行かずに済んだ。

≪福島 A さん≫

 今日も、何人かの転入あり。あと3人転入生があれば、3年生の学級編制を直さなければならない状況です。今日、3年生に2人転入があったので、このペースでいけば、9クラスに編制し直しは必至かも…。教頭や学年主任が慌ててました。人事異動が凍結され、学級数が増えても教員を増やしてくれるかも不明。4月5日まで気が休まりません。今日は、放射能が心配で登校させなかったら、欠席扱いになるのかと保護者から問い合わせがありました。例年にない混乱です。既に転入が40人超という学校もあります。避難所に暮らす人達の苦労も如何ばかりか。学区内に仮設住宅が建設されるとのことで、空き教室もないのに、どうなるのか…。震災に伴い就学援助事務も増えそうです。

 この震災で、県庁も被災。電算システムが復旧しない為、3月実績や手当は入力不可。後で手処理になるらしい。人事異動凍結で仕事が減ったと、楽したツケが回ってくるらしい。多くの中学校が4月に実施予定だった修学旅行は延期か中止。定番のディズニーランドも当分行けそうにありません。

 毎朝、定時に眺めていた新幹線や北斗星もすっかり視界から消えてしまいました。地震、津波、原発と三重苦の日々は続きます。

4 月5 日

≪いわき S さん≫

 原発が放射性物質を海に出している。高濃度の垂れ流し、低レベル(どれ位か不明)は積極的に流す。空気も海も放射線を出す物質にまみれる。野菜も魚も食べられない。これから鰹の季節なのに。<中略>福島県は県内学校の放射能線量を今日から明後日までに調査するとした。我が職場には今日の午後やってきた。測定結果は明後日に発表するとして、数値は教えていかなかった。それでも、地上1メートルより、地表線量が高いとは言っていた。夕方スーパーで鰹を探した。しかし、刺身は解凍物のマグロとイカだけ。地物魚は一切無い。漁船と港の被害が原因だろうが、これからも期待できない。

 我が職場にも原発地元から転校生がいる。そこである教員が卒業生にお古のカバンや制服を下さいとメールを出した。そうしたら、それがチェーンメールになり、2、3日で膨大な量のカバン制服が集まった。

4 月14 日

≪いわき S さん≫

 4 月11 日12 日のいわき市を震源にした地震のため、いわき市の小中学校は今週いっぱい休校になりました。震源地は私が新採用になった学校の近くで、そこの井戸沢断層が動いた。1メートル以上段差が出来たらしい。3 月の地震で大地は東に動いた。するといわきから栃木長野の地は広がらざるを得なくなる。そこで大地を広げる正断層を起こしているようだ。心配は双葉断層。原発の西側に断層がある。地図や写真で明瞭な双葉断層が見れる。原発は近い。この断層が動いたら、原発は本当に制御不能になる。先日の報告で、福島県は全ての学校等の放射線量を測るとしましたが、その結果が発表された。県内の学校の75%が「放射能管理区域」になっている。いわき市より、福島や郡山の数値が高い。学校が放射能管理区域であって良いのだろか。校庭で活動は許されるのだろうか。双葉町の組合員の一人は育休中だが、連れ合いの職場の避難にしたがって、会津に移動。それが配偶者の職場がまた異動するので、また転居する必要があると言う。自宅を原発地元に残したまま、流浪を余儀なくされている。

<略>
 

全学労連 福島カンパのお願い

 全学労連では、構成団体である福島県学校事務職員労働組合(福事労)の組合員が今震災により被災されている状況を踏まえてカンパを募集します。

 このカンパは、福島県浜通り地域で津波により家を流され新たに住居を借りて生活を始めたり、原発事故により町ごと避難している仲間などへの支援、また、今後福事労が福島県内外での震災復興支援活動をスムーズに行うための資金として活用していただくために募集するものです。

 賛同される方は下記の全学労連郵便口座へ、通信欄に「福島カンパ」などわかるように記入して、送金してください。カンパ金のすべてを福島へ届けます。なお、募集期間は4月中とさせていただきます。

神奈川県横浜市西区平沼1−4−8 椎野ビル

郵便振替 00160−6−34582 全学労連

よろしくお願いします。

 
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