2012年5月28日

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全学労連ニュース今号の内容

 原発震災、定数問題などを軸に交渉要求  −5.18文科省折衝報告−

 橋下・大阪維新の会の横暴・暴走を許すな!

 5月5日、ついに全54基の原発が止った!  ―大飯3・4号機の再稼働を許すな!―

原発震災、定数問題などを軸に交渉要求

−5.18文科省折衝報告−

 全学労連は、5月18日、別掲の要望書を文科省に提出した。6月予定の交渉に向けて重点要望等をめぐる折衝を行った。昨年の交渉に引き続き、3.11以後の情況に関連した緊急要望を中心にしつつ、教職員定数等に関する問題を併せて交渉することを確認した。以下、文科省に対して提起した重点項目の観点について報告したい。

<重点項目1について>

 3.11原発震災以後の深刻な情況が続く被災地域において、就学援助等の教育支援や学校における雇用の拡大について引き続き文科省としての取組みの強化を求めていく。放射能汚染がさらにひろがりを示しているなか、福島県の広範な地域で集団的な疎開を可能とする多様な手立てが早急に講じられる必要があることを訴えていく。疎開を受け入れる地域の条件整備を含めて文科省がどのようにかかわっていくのか明らかにさせていきたいと思う。

 「一度に100ミリシーベルト以下の放射線を人体が受けた場合、放射線だけを原因としてがんなどの病気になったという明確な証拠はありません」(文科省副読本)。ここには原発推進教育が今回の原発損壊の惨状をもたらした重大な要素だったことへの痛みも反省も一切ない。新たな原発安全神話を捏造し、福島(の子どもたち)を切り捨てていくことを断じてゆるしてはならない。副読本の撤回を強く要求していく。

<1以外の重点項目について>

 3−@−@)及び3−A−B)に関連して;基礎定数化による35人学級の実現という文科省自ら打ち出した方針がわずか1年で頓挫させられていることを厳しく追及していく。加配方式への舞い戻りは、更なる非正規の学校労働者の増大−学校労働者間の差別分断を招くだけであることを訴えていく。

 8に関連して;大阪における一連の条例化(策動)は、教育委員会制度をより一層形骸化し、首長の恣意的かつ強権的な公教育への介入をもたらすものだ。文科省自身の教育委員会支配に対する反省を踏まえ、大阪府、大阪市に条例化反対を働きかけることを要求していく。

第41回全国学校事務労働者交流集会(全交流・大阪)案内

日時:2012年7月28日(土)〜7月29日(日)

会場:国労大阪会館

主催:全国学校事務労働組合連絡会議(全学労連)

《会場案内》

大阪市北区錦町2−2最寄駅:JR「天満」

橋下・大阪維新の会の横暴・暴走を許すな!

 橋下・大阪維新の会は、大阪市の5月議会で「職員基本条例」・「教育行政基本条例案」・「学校活性化条例案」を公明の支援を得て条例化を目指している。


 大阪維新の会は、昨年8月に大阪府・大阪市・堺市で条例化を目指すとしてこの2条例案(当時)を公表し、大阪市会においては9月議会で少数否決され、府議会・堺市議会では、継続審議となった。その後大阪市長・府知事の同時選挙で維新の会が勝利し、府議会では、いくつかの修正を加え教育基本条例案を上記の2条例案に分けて今年3月自民・公明の賛成を得て残念ながら条例化された。大阪市では、橋下新市長が、「9月議会で否決されたが、その後の選挙で勝利し民意は我にある」と、府で条例化されたものとほぼ同様の条例案を再度3月議会に市長提案として上程、継続審議となっていたものだ。

 この条例案は、承知の通り教育委員会制度を否定し、教育への首長の政治介入を許すものだ。また、昨年6月に府議会で強行可決された「日の丸・君が代強制条例」と合わせて、「日の君」を踏み絵に、職務命令と処分で教職員を恫喝し、物言わぬ、物言えぬ教職員を作り出すものだ。


 また、教育基本条例案を補完するものとして「家庭教育支援条例案」も用意されていたが、その内容の余りのひどさに各界・保護者からの批判が集中し、承知の通り維新の会自ら取り下げた。非科学的・非医学的その内容は、児童虐待の原因がテレビや携帯を見ながらの「ながら授乳」にあり、発達障害の原因は、乳幼児期の愛着形成の不足であり、「我が国伝統の子育て」により予防・防止できるとしている。いったい「我が国伝統の子育て」とは何か!?この条例案を準備した辻順子市議によれば、高橋史朗明星大学教授から資料提供を受けたと言うが、この高橋教授は、「日本会議」のメンバーで「新しい歴史教科書を作る会」の人でもある。因みに橋下市長は、「人権歴史博物館」を廃止し、「近現代史施設」を任期中に開設し、「新しい歴史教科書を作る会」や元会員の意見を反映させ、子どもたちが近現代史を学ぶ場にすると表明した。これらを見ても大阪維新の会が進もうとしている方向が分かる。


 橋下市長は、本年2月業務命令として実施した組合活動と政治活動に対する「職員アンケート」に対し、法曹界の批判や府労働委員会の不当労働行為の疑いがあるとの見解により、担当した市特別顧問の野村弁護士自らがアンケート結果を破棄せざるを得なかった事を顧みず、今度は「職員の入れ墨調査」を実施、法曹界からの批判を無視し自己申告した110名を「市民の目の当たらぬ部署」に配置変えすると言う。

 このように橋下市長以下大阪維新の会の人権無視や偏向した政治姿勢、偏見に満ちた言動、労働組合敵視には、枚挙に暇がない。マスコミに対しまるで「回転すし」のように話題を提供し、注目を集めているが、その本質は横暴な独裁政治だ。これ以上橋下・大阪維新の会の横暴・暴走を許してはならない。

5月5日、ついに全54基の原発が止った!

―大飯3・4号機の再稼働を許すな!―

 脱原発の運動が続けられている。4月17日、経済産業省前テントひろばの人々が正午からハンガーストライキに入った。5月5日まで30人前後が交代で最大7日間のハンストを行い、落合恵子さんや鎌田慧さんなどが応援して、5月5日に原発ゼロを確認し終了した。

 4月21日(土)には、「原発とめよう!東京ネットワーク」主催の「原発とめよう!原発再稼働NO!集会&デモ」が行われた。日比谷コンベンションホールの集会では「脱原発新潟県弁護団」から「東電の柏崎刈羽原発差し止め裁判が始まる」との報告。「反原子力茨城共同行動」から「東海第2原発を廃炉にしよう」との訴えがあった。福島からは「子どもを放射能から守る福島ネットワーク」と「ハイロアクション福島」から福島にいる人々と避難者の現状についての報告があった。政府が再稼働を企図している大飯原発3・4号機の地元、福井から「福井アクション・センタースタッフ(グリーンピースジャパン)」から報告があった。

 16時過ぎからのデモは250名が結集し、日比谷公園⇒東電本社前⇒銀座⇒東京駅⇒常盤橋公園へと貫徹された。22日にも「アースディイベント」があり、渋谷・原宿でデモが行われた。反原発のシンボルとして「緑の鯉のぼり」が掲げられた。

 5月1日のメーデーでは「すべての原発を即時停止し、廃炉へ、原発依存のエネルギー政策の転換を!」のスローガンも掲げられてデモが行われた。5月3日の憲法集会でも2,000人が銀座デモで護憲と脱原発を訴えた。こうして脱原発の運動が継続して取り組まれた。

 そして5月5日、東京芝公園において「さよなら原発1,000万人アクション」の集会が5,500人で開催された。私たちは神奈川・埼玉の全学労連の仲間とともに参加した。鎌田慧さん、澤地久枝さん、落合恵子さん、福島市の椎名千恵子さんなどが発言し、「泊3号機が停止すると日本はドイツに先駆けて脱原発を実現する可能性がある」ことが明らかにされた。この日札幌市で450人、名古屋市で250人の集会・デモがあった。

 私たちは芝公園⇒浜松町へのデモを終えてから、経産省前テントひろばのイベントに移動。福島のカンショ踊りが経産省を一周してくるのを待って「原発ゼロを祝うセレモニー」に参加した。18時から約1時間、柏餅とジュースが配られて乾杯。テント村の渕上代表、社民党福島党首、たんぽぽ舎柳田氏などが次々に原発ゼロの日の歓びを述べ、そして5日24時3分、泊原発3号機が発電を停止した。これによって国内の全54機の原発が止った。1970年以来の「脱原発」状況が実現した。

 しかし、電力会社、特に関西電力は、今夏のピーク時に電力不足を煽って大飯3・4号機の再稼働を画策している。電力は余っており、再稼働だけが目的なのだ。

 また、政府などの原発推進勢力も再稼働を強行しようとしている。8日、福井県原子力安全委員会が政府の安全基準の内容を了承し、おおい町議会は14日の全員協議会で1名の反対を押し切って再稼働に同意する旨を町長に報告した。おおい町長の時岡氏は「関西圏の理解が進んでいない」としながらも、再稼働を容認することを5月中に結論付けたいとしている。一方、関西圏の京都府、滋賀県、大阪府市は微妙な姿勢が垣間見えるも再稼働に反対している。

 脱原発首長会議(72人)は、5月14日、経産省副大臣に「再稼働は馬鹿げている」と申し入れ、福島県の住民団体もおおい町長に慎重な判断を要望している。

 5月11日、「再稼働反対!全国アクション」の官邸前アクションが120名で内閣府に要請文を提出するなどの行動を続けている。こうした運動が全てとは言わないが、政府の再稼働強行へのブレーキとなっている。

 福島原発事故の原因究明もなされず、インチキなストレステスト第一次評価のみで二次評価も行わず、ベントフィルターや恒久的な非常用電源・防潮堤・水素除去装置の設置を先送りしたまま、再稼働することは危険極まりないことである。もう一つ、別の場所で原発が暴発したらこの国は終わりである。再稼働を許さず、「脱原発」をこの国の政策としていくことが必要とされている。それが原発被災した福島の人々に対する責務である。

(学校事務ユニオン東京JIM-UNIONNo.207より)



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