2012年7月15日

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全学労連ニュース今号の内容

 ―全学労連 6.18文科省交渉報告−福島の現状と、定数問題・臨時職員の労働条件問題などを訴える

 大飯原発3・4号機の再稼働に抗議する! 直ちに撤回せよ! 脱原発を実現しよう!

 橋下・大阪維新の会の横暴・暴走を許すな!その2  組合憎し!組合嫌い! 橋下=ヒトラー=スターリン?

 議長 菅原 かみブログ 120705  「シュレジンガーの猫」

 事務局員M かみブログ120705  「組織拡大」に思う

―全学労連 6.18文科省交渉報告−

福島の現状と、定数問題・臨時職員の労働条件問題などを訴える

 全学労連は、6月18日、先日提出した要望書(前号参照)をもとに文科省と交渉した。

 冒頭あいさつで、菅原議長は「福島では未だに放射能への不安がある。子どもたちへの影響や不安をとり除き、安心して暮らせるための政策が未だに少ない。これが何より不満である。文科省に責務として、これから長い時間過ごしていく子どもたちのことを考えていってもらいたい。」と福島の状況を訴えた。


 要望書に対する文科省の解答要旨と主なやり取りは次のとおり。

要求事項 文科省回答
1 震災以後の状況を踏まえ、文部科学省自らも努力を傾注することを求める
1−@ 被災地の人々に対する支援に引き続き全力を挙げること。
 「学ぶ意欲を大事にしながら、就学困難な生徒には22年度予算で臨時交付金を147億円、100%国費で措置した。文科省としては、まず学業を大事に考え幼・小・中・高校まで24年以降も3年間支援していく。今後も引き続き就学支援に努めていく。
1−B 原発問題、全国の学校に配布した「放射線教育」に関する副読本(2011.10文科省発行)を回収、撤回すること。  23年3月11日を以降、各方面から原子力開発に関する関心は高い。副読本は以前作成していた放射線に関するガイドを焼きなおし、23年12月、学校の教育支援のため、さらに特化した本を作成した。これは各地教委から要望が多数あったため配布した。原発事故や健康に関する記述がすくなかったとの声は聞いている。今後検討しさらなる方針を議論していく。原発やエネルギー政策に関しては、政府専門会議を踏まえ、文科省としてどう支援していくのか議論するところだ。
3 教職員定数改善、臨時的任用者の労働条件について
3−@ 加配方式による定数配置をやめ、抜本的な定数改善を行うこと。
 本年度予算は東日本大震災対応と小2年の35人学級指導で3800人確保した。今後の定数等は有識者会議を経て その結果を踏まえ対応していく。
3−A 定数内職員は全て正規職員とし、臨時職員としないこと。  臨時的任用者に関しては、各県任命権者の責任で適切に対応されていると考えている。要望の趣旨はうけた。
8 大阪の教育に関するさまざまな条例成立の状況について、どのような見解をもち、今後どのような働きかけをしていくのか明らかにすること。  文科省は現行法制に照らし、適切に運用されていく事を注視している。

 回答を受けての主なやり取りは次のとおり。

被災就学援助について

全) 被災就援交付金の3年間とは24〜26年なのか?

文) 阪神大震災の時も長い間やっていたので10年は続くと思う。

事務職員定数問題について

全) 福島は事務職の定数を教員の枠で取られてしまっている。

   3800人増は小2学級のほうでの話か?小1の時と違い、加配で措置しているのか。

   今後は次年度以降どうしていくのか、現行がどう変わるのか?

文) 有識者会議で、法改正するべきか、加配するべきか?を議論していってもらう。小2の制度を改正するべきかどうかを議論してもらうつもりだ。

   加配は、東日本大震災関連を優先しての中で加配になった。会議の結果を見て対応していく。今は案のまま止まっている。後退と言えばそうなるが、文科省としては、各省に認めてもらっていくが、現状のままでは難しいだろう。

全) 新たな定数計画が出されていたが、小学校1学年の35人学級は実現したが、2年目は法改正なしで加配方式の措置となった。加配方式は不安定だ。臨任増にしかならない。各県全国とも数字が出ている。定数の面では、臨任では安定しないだろう。新たな定数計画はなくなったのか。

文) 定数から言えば計画通りにしていれば、都道府県も予定通りに配置できた。

   文科省は計画を放棄したわけではない。計画的な改善を示していきたい。退職者補充もあるだろうが・・・。

臨時的任用者の労働条件問題について

全) 臨任の問題で言えば、労働条件もある。

   文科省が調査をするべきだと、ここ数年言い続けてきている。正規雇用はあまり格差が出ないが、臨時的任用の労働条件は各県まちまちだ。給与上限を定めていたりする。調査すれば各県は考えるだろう。

文) 国庫負担をする立場からすれば実態はわかっているだろう。伝えておく。

全) 国庫を前年並みに維持すれば、定年退職者の分で新人二人は雇えるだろう。35人学級でなくそれ以上の定数改善が出来るだろう。

文)意見として聞いておく。

福島県内の放射線問題について

全) 1mSv/年が基準だったのに、副教材では100mSv/年まで安全だという。不安になる記述が多い。

   現場ではプールや通路は線量が高いから、年齢の高い職員が対応している。校庭に一部に「子ども立入禁止」のロープが張られている現実なのだ。

文) そういった要望は各方面から、折衝で聞いている。

全) 副教材は膨大な金を掛けて、不安を広げただけではないか。

文) 当初は作ったものをHPに載せて、使うようならばダウンロードしてもらう予定だったが、配布してくれという声が高くなった。各教委から必要部数を言われた。現場からの声で配ったので、そこを理解してほしい。

全) このままではずーと不安なままだ。 もんじゅをかかえている文科省、と言うことを自覚して政策を出してもらいたい。 もんじゅを維持する金があれば、どれだけの人を救えるか・・・考えていってもらいたい。


 先日政府に提出された、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)の報告は「福島原子力発電所事故は終わっていない。」からはじまる。「日本の原発は、いわば無防備のまま3.11の日を迎えることとなった。」「この事故が『人災』であることは明らかで、歴代及び当時の政府、規制当局、そして事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如があった。」とも記されている。この報告では、今後のエネルギー政策に関する事項(原発の推進、改廃も含めて)は言及されていないが、この間、何を優先に進められてきたのか、何を犠牲にしていたのかを言い切っている。

 今回の交渉では、文科省の原子力開発に関することも追及したが、やはり当事者意識のない回答にとどまっている。さらに定数問題や臨時的任用者のことについても同じだ。各地教委任せであることが現状の格差を生み出しているということがわかっていないのであろうか。震災支援に関しても「対処療法的」であって、根本的な問題解決までいかないのではという不安も残る。「地方でできることは地方に任せる」、とてもいいことであるが、それが格差を生み出すようなことがあってはならないと考えるから、我々は文科省に現状を伝えているのだ。教育に関する定数などその最たるもので、「定数さえ満たされていればいい」というものではない。働くものは機械などではない。日々現場を見ていない有識者の議論を待つまでもなく、卒業式や入学式などの意味のない調査をやめ、本当に必要な調査を速やかに行ってもらいたい。未来を担う子どもたち、これからの教育に関して、何を優先し、何を犠牲にしているのか、文科省も改めて自らを問い直してほしい。

大飯原発3・4号機の再稼働に抗議する!

直ちに撤回せよ! 脱原発を実現しよう!

 民主党政権は6月16日、関西電力大飯原発3・4号機の再稼働を決定し、7月1日、3号機が再稼働した。国内50基(福島第一原発1〜4号機は廃炉が決定している)の原発全てが停止し「脱原発」を達成した5月5日からわずか2カ月足らずのうちに、原発推進派の巻き返しが始まった。大飯原発には、福島第一原発にさえあった免震重要棟もなく、フィルター付きベント装置どころかベント装置そのものがない(ということは事故が起こって圧力を逃がすことが出来ないで爆発するしかないのか)。更に恒久的な非常用電源、防波堤、水素除去装置の設置も先送りして「安全」を強弁している。事故が起きた時の対処を検証するストレステストの二次評価もされていない。敷地内を走る「F6断層」と呼ばれる破砕帯が近くの熊川断層、F0−B断層、F0−A断層などの活断層と連動しており、地震による配管の破壊が起こる可能性が強い。国会の事故調査委員会の報告でも福島第一原発の損傷が地震による可能性があるとされているのだから、「安全」を先送りにした大飯原発ではとんでもないことになる。再稼働することは狂気の沙汰であり一刻も早く再停止し廃炉にすべきである!

 これらに対する脱原発の運動は5月5日以降も各地で続けられ、大きなうねりとなっている。6月7日「原発いらない福島の女たち」のグループ70人が首相官邸前で「ダイイン」で、再稼働に反対。6月6日「さようなら原発1000万人アクション」の署名集約集会(日比谷公園)に2200人が結集し、12日に748万筆の一部を衆院議長に提出した。3月末から始った毎週金曜日の首相官邸前の抗議行動は「首都圏反原発連合」の有志がツイッターを駆使して膨れ上がっていく。6月8日1200人→6月15日1万1千人→6月22日4万5千人→6月29日15〜20万人→7月6日15万人 参加者は会社帰りのサラリーマン、子連れの主婦、学生、女性グループ。外国人も加わり多様だ。外国メディアは「日本人が変わった」と評価し始める程だ。官邸に向かって「再稼働反対!」「福島を返せ!」とシュプレヒコールを上げ続ける。「野田、NOだ!」も掲げられている。16日の再稼働決定にも官邸前で抗議行動が行われている。

 全国各地で、再稼働反対のデモや集会が行われている。6月23日の新宿柏木公園からのデモに1200人、6月24日、野田首相の地元、船橋市でも2000人のデモが行われた。大飯原発の地元の福井市での集会には、東京・福島・関西・伊方などからバスで合流し、2200人が結集し、デモが行われた。3号機が稼働した6月30日は650人が徹夜で抗議を行った。7月1日朝、原発に向う道路を封鎖する座り込みを行ったが、警察に排除され、再稼働が強行されることとなった。7月1日「素人の乱」の新宿デモに8千人が参加した。6月10〜11日伊方原発現地集会デモに1300人が参加した。伊方原発も再稼働の危険性があるのだ。6月11日福島原発告訴団の集会が開かれ福島地裁に東電・安全保安院らを告訴・告発した。6月26日志賀原発運転差し止めを求める訴訟が金沢地裁に起された。しかし32万人の署名を集めた原発都民投票条例案は都議会本会議で41対82で否決されている。

 野田首相は「大飯の再稼働は必要だ。エネルギー安全保障の視点からも原発は重要な電源だ」と言った。6月20日に成立した原子力規制委員会設置法の付則で原子力の憲法と言われる原子力基本法の基本方針が変更された。付則12条で基本法2条に1項追加し「安全保障に資する」の部分を入れた。これは軍事利用=核武装への懸念を拭えないものである。又、宇宙航空研究開発機構法も平和目的限定条項が変更され防衛利用への参加を可能にした。プルトニウム再処理と衛星技術が核ミサイルを生む方向へと一歩進んだと言える。

 私達は大飯原発3・4号機の再稼働に抗議し、野田政権に、再稼働を撤回し、廃炉にすることを要求するものである! 脱原発を達成するために二つの集会が予定されているので、是非参加しよう!

7月16日(月・祝) さようなら原発10万人集会

  場所 代々木公園B地区

  13:00〜  主催 さようなら原発1000万人アクション

7月29日(日) 国会大包囲

  場所 日比谷公園

  集会15:30〜 デモ16:30〜 国会包囲 19:00〜

  主催 首都圏反原発連合

橋下・大阪維新の会の横暴・暴走を許すな!その2

組合憎し!組合嫌い! 橋下=ヒトラー=スターリン?

 橋下政治をハシズム(ファシズム)と呼びヒトラーに例えられてきた。しかし、最近ではそれに加えてスターリンに例えられている。それは、大阪市長選挙で対立する平松候補を応援した人間や組織への報復と粛清からだ。市庁幹部の更迭は予想に易いが、平松候補の選挙母体を担った市労連への攻撃が凄まじい。庁舎からの組合事務所の追い出し、組合費のチェックオフの廃止等便宜供与の廃止、そして前号で書いた「政治活動・組合活動アンケート」だ。そしてその集大成として出されたのが「大阪市労使間系に関する条例案」だ。

 @「管理運営事項の取り扱い」では、労働組合との意見交換を禁止する。A「交渉内容の公表」では、交渉内容の全てを公開し(非公式折衝・非公開交渉の禁止)、マスコミへ公開する。B「適正な労使関係の確保」では、任命権者が「適正」の検証を行い、「適正」でないと判断した時は必要な措置をとる。任命権者は、「違法な組合活動」の抑止を求めることが出来る。人事委員会は、職員団体に収支報告書の提出を求める。人事委員会は、地公法の定めた職員団体の目的に合致しない場合は登録を取り消すことが出来る。等々だ。その他には、無給職免・適法交渉前の15分の有給職免の廃止、会議室の使用禁止(交渉場所の経費は労使折半)等だ。そして、この条例に違反した職員は懲戒処分を行うと言うものだ。

 「管理運営事項」は、義務的交渉事項ではないが双方の合意があれば出来るし、その内容が労働条件の変更を伴うものであれば当然交渉事項だ。非公式折衝や非公開交渉は、労使間だけではなく政府機関や国際会議でも常識で実務レベルでの役に立っている。任命権者や人事委員会に一方的な権限を付与することは、対等平等の労使関係を否定し労組法に違反する。地公法の職員団体の目的「職員の勤務条件の維持改善を図る」ためには、当然労使間事項以外の課題や取り組みも含まれる。また、人事委員会は、職員団体登録に当たってその組織が地公法上の目的のための組織であることの証明に組織規約等の提出を求める事は出来るが、収支報告等他人の財布の中味や家計簿を覗く権限はない。

 まず、公務員にも「基本的人権」(憲法11条)があり、「勤労者の団結権」(同28条)もある。従って公務員組合にだって、自分たちの権利を擁護し拡大する個人または組織を支援し連帯することは違法ではない。また、自分たちの「生存権」(同25条)「財産権」(同29条)にかかわる課題について、それが政治的課題であろうとも、発言し運動することは違法ではない。反基地、反原発の闘いは、我々の重要な課題だ。

 橋下が進める「大阪市労使間系に関する条例案」が成立すれば、公務員組合は最早労働組合ではなくなり、対等平等の関係が当局に隷属する上下関係になる。決して認めるわけには行かない。大阪での闘いに支援・連帯をお願いする。

議長 菅原 かみブログ 120705

「シュレジンガーの猫」

死にそこなうわたしと 生きそこなうわたしと

 職場近くに住む方から詩集をいただきました。2011.3.11後の「日常を奪われた世界」をしに託していました。上に書いた「死にそこなうわたしと 生きそこなうわたしと」はその詩集の中の言葉です。

 放射能を語る言葉には「確率」が付いてきます。セシウム137の半減期は30年です。今ここにあるセシウム137がβ崩壊するのは、30年の間に50%の確率です。いつだか誰にもわからない。たった今崩壊するかもしれない。ひょっとすると100年後かも知れない。

 命は確率で語れない。放射能が命を確率で語る。

 「ガン発症率が0.5%上昇する。」の言葉。発症するのは、私かあなたか、誰かなのだ。俺たちは「シュレジンガーの猫」じゃねえ。

わたしの故郷は 二度ジョーカーを引いた

 「昔、炭鉱がつぶれたとき まちからひとがきえた 食い尽くされ廃墟だけがのこった」「原発の水素爆発がおこったとき まちからひとはきえた 取り返しのつかない恐怖だけがのこった」 詩集から引用しました。

 最近、常磐炭鉱産業遺産を残し、観光資源にしようとする運動が始まりました。市内にはたくさんの炭鉱関係の廃墟があります。職場近くで温泉が噴出した竪穴もそのひとつです。負の遺産をプラスにしたいと「廃墟萌え」に売り出しています。

 しかし、原発は負だけを残します。そしてその負の遺産は、その取り返しのつかない物は何万年のも間、恐怖の館として残ります。

明日は 絶対に新しい口紅を買うぞ そう誓った

 原発爆発で放射性物質を吐き散らした責任を誰も取っていません。人々を恐怖と不安に落としいれ、住まいを奪い、故郷から追い出し、死をももたらした責任を取らせねばなりません。

 福島県民は集団で犯罪者を告訴しました。東電・政府・御用学者を告訴しました。私を含め福事労組合員が告訴人になりました。

 それが、新しい一歩になってほしい まずは福島地検が起訴するよう働きかけが重要になるでしょう。今「陳述書」を書いています。。

事務局員M かみブログ120705

「組織拡大」に思う

 全学労連に限った話ではありませんが、若い組合員が減っています。事務局会議でも「○年後にはうちの組合は○人しかいなくなってしまう・・・」という話がたまに出ます。私もうちの組合では一番若いので、何年か後には一人だけの組合になってしまうかもしれません。

 

 半年ほど前、拡大事務局会議の後に同年代の人達と飲みながら話しました。みんな私と似た立場です。「何年か後に自分が委員長になるかもしれない」「もしかしたら組合員は自分一人かもしれない」と・・・。「なんとかなるでしょう」という意見も出ましたが、私はとても心配です・・・

 

 今月、うちの組合のレクに新採用事務職員が参加しました。組合結成以来初めての事かもしれません。どんな印象を受けて帰ったか気になります。

 最近の若い人たちは『組合=怪しい人たち』というイメージを持っているらしいですね。イメージを変えることが出来たでしょうか?組織拡大に繋がると良いのですが・・・



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